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zoom RSS 安藤寿康『遺伝子の不都合な真実─すべての能力は遺伝である』

<<   作成日時 : 2012/08/13 00:00   >>

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 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2012年7月に刊行されました。本書では「能力」には遺伝子の影響があるという見解が強調されていますが、もちろん「能力」は遺伝子だけで決まるものではなく、遺伝子と環境の両者の影響が指摘されています。そんな当然のことをわざわざ本にまとめる必要があるのか、と多くの人が考えるかもしれませんが、多くの人が直感的に・漠然と自明のことと考えている常識を、学術的に検証することも専門家の役割であり、その意義は大きいと思います。その意味で、多くの人が漠然と考えているであろう常識について、字数を稼いでごまかすのではなく、さまざまな研究成果を提示し、著者の見解と現代社会への提言が述べられている本書は、有意義な一冊になっていると思います。

 表題には「不都合な真実」とあり、本文中でも著者の見解が反発を招くであろう、との懸念が述べられていますが、本書で提示されている見解の多くは私にとって当然のことであり、確かに本書の見解に反発する人もいるでしょうが、正直なところ、著者は社会の反応を過剰に心配しているのではないか、と思います。また、私はこの問題の専門家ではないのでまったく自信はないのですが、著者が熱心に批判する「環境論者」が、本当に遺伝子の影響を軽視したような主張をしていたのか、あるいは著者による「環境論者」の戯画化があるのではないか、との疑問もあります。

 もっとも、私の常識が社会の大勢とずれているかもしれませんし、著者による「環境論者」への批判も妥当かもしれないので、著者の見解への私の疑問は的外れかもしれません。著者は、人為的なものも含めて環境が遺伝子を制約しているという側面と、そのことによる問題点を強調しますが、確かに、そうした側面があるのは否定できないだろう、とは思います。しかし、人類が安全な社会生活を営むにあたって、遺伝子というか、遺伝子に基づく行動を抑制するのは、必要不可欠でもあると思います。これも常識論になってしまいますが、遺伝子に基づく人間の可能性をできるだけ伸ばしつつ、安全な状態を維持するような社会を築いてく必要があるのでしょう。

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