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zoom RSS ネアンデルタール人は小動物の狩猟に本格的に移行できずに絶滅?

<<   作成日時 : 2014/01/17 00:00   >>

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 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ネアンデルタール人(ホモ=ネアンデルターレンシス)の絶滅要因は狩猟対象を小型動物へと本格的に切り替えられなかったことにある、と主張する研究(Fa et al., 2013)が報道されました。この研究では、過去5万年の哺乳類の生物量(バイオマス)が調べられました。その結果、イベリア半島ではイタリア半島やヨーロッパの他地域とは異なり、人類も含む捕食者にとって兎が重要な食資源たり得た、とこの研究は主張します。

 過去5万年の哺乳類の生物量と平均的な大きさの変遷を調べていくと、大型哺乳類が劇的に減少し、イベリア半島では兎が高い比率を占めるようになったことが判明したそうです。しかし、中部旧石器時代のムステリアン(ムスティエ文化)において、人類による兎の利用は、その後のネアンデルタール人が絶滅し現生人類(ホモ=サピエンス、解剖学的現代人)のみとなった時代と比較して少ないそうです。イベリア半島のムステリアンの担い手は、現在のところネアンデルタール人のみとされています。

 この研究では、大型哺乳類が激減した場合、兎のような小型動物へと狩猟対象を移行できた人類集団は存続できただろうと推測され、大型哺乳類が減少するなか、兎を食資源とした痕跡が少ないネアンデルタール人は、現生人類ほどには狩猟の対象を大型哺乳類から小型哺乳類へと上手く移行できず絶滅したのではないか、と示唆されています。上記報道では、小型動物の兎を狩ることの難しさは過小評価される傾向にある、との研究者の見解も紹介されています。また、ネアンデルタール人の道具は兎を狩ることに適していなかったのにたいして、現生人類の道具には兎のような小型哺乳類を狩るのに適したものもある、と指摘されています。さらに、現生人類の社会では大型動物を狩る成人男性と小型動物を狩る女性や子供といった分業が見られたのではないか、との推測も紹介されています。

 ただ、上記報道によると、この研究に疑問を呈する研究者もいます。この研究のデータはひじょうに大まかなレベルで推論の域を出ておらず、ヨーロッパで25万年も生きてきたネアンデルタール人の柔軟性を過小評価しているのではないか、というわけです。そもそも、この研究が対象としているイベリア半島にしても、ネアンデルタール人と現生人類の食資源に本当のところどれだけ違いがあったのでしょうか。たとえば、イベリア半島南西部のネアンデルタール人は様々な食資源を利用しており、それはネアンデルタール人絶滅後に同地に進出した現生人類とほぼ同様だった、との見解もあります(関連記事)。正直なところ、この研究で提示された推論には疑問が多々残ります。


参考文献:
Fa JE. et al.(2013): Rabbits and hominin survival in Iberia. Journal of Human Evolution, 64, 4, 233–241.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2013.01.002

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