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zoom RSS 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷

<<   作成日時 : 2014/04/18 00:00   >>

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 今日は3本掲載します(その一)。臨川書店より2014年1月に刊行されました。初版第1刷の刊行は2013年3月です。本書は国立民族学博物館の共同研究「人類の移動誌─進化的視点から」の成果をまとめた論文集です。この共同研究には、霊長類学・考古学・言語学・分子遺伝学・形態人類学・文化人類学・生態人類学など多様な分野から研究者が参加しています。この共同研究の成果をまとめたより一般向けの本として『人類大移動 アフリカからイースター島へ』があり、以前このブログで取り上げたことがあります(関連記事)。本書もこの共同研究を反映して、多様な分野の研究者からの論文が所収されています。

 個々の論文の密度が濃いようなので、『ホモ・サピエンスと旧人─旧石器考古学からみた交替劇』の時のように(関連記事)、各論文を一つの記事として取り上げ、この記事にトラックバックを送ることにします。また、本書の論文数はかなり多いので、全論文を取り上げた後にまとめ記事を作成することにします。本書は、第1章〜第5章までがいくつかの節とコラムから構成されており、第6章が総合討論となっています。それぞれの節が一つの論文となっているので、1節ごとにこの記事で取り上げることにします。各章の内容は以下の通りです。


第1章・・・人類がアフリカから移動した歴史を、最新の考古学情報とゲノム分析研究を用いて紹介します。

第2章・・・人類のアフリカからアジアへの移動や、ネアンデルタール人(ホモ=ネアンデルターレンシス)と現生人類(ホモ=サピエンス)との関係などについての研究です。

第3章・・・日本列島への人類の移動についての研究です。

第4章・・・アメリカ大陸やオセアニアへの人類の移動についての研究です。

第5章・・・言語学・形態学・遺伝学・同位体分析など、人類の移動を検証する多様な方法が紹介されています。

第6章・・・本書の論文の執筆者の多くが参加した総合討論です。

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海部陽介「アフリカで誕生した人類の長い旅」『人類の移動誌』第1章「人類の移動を考える」第1節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、猿人→原人→旧人→新人という図式で人類進化史を把握しています。私はこうした把握に以前より疑問を抱いているのですが、専門家の見解だけに、自分もこの問題についてもっと考えなければならないかな、とは思います。本論文は「猿人」についてはわずかに言及するだけで、「原人」・「旧人」についても言及は少なく、おもに「新人(現生人類、ホモ=サピエンス)」の世界各地への拡散を概観しています。 ...続きを見る
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2014/05/10 00:00
木村亮介「ゲノムからみた人類の拡散と適応」『人類の移動誌』第1章「人類の移動を考える」第2節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。分子遺伝学が人類の進化・拡散の研究に多大な貢献をしていることは、現在では一般にも広く知られているように思います。新世代型DNAシーケンサーの開発により、ゲノムの膨大な情報を、じゅうらいよりも低コスト・短時間で解析することが可能になりました。その結果、じゅうらいよりも精度の高い人類の適応・拡散を復元することが可能となりました。こうした研究結果は、報道機関に取り上げられることにより、一般にも知られることが珍しくありません。 ... ...続きを見る
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2014/05/13 00:00
山極寿一「移動の心理を霊長類に探る」『人類の移動誌』第1章「人類の移動を考える」第3節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は霊長類の進化のなかに人類の進化を位置づけ、人類の移動がいかなる進化的特徴に基づくものなのか、見解を提示しています。広い視野に基づく論文だと思います。現在、霊長類でもオナガザル科が繁栄し広範な地域に生息しているのにたいして、類人猿の生息域はアジアとアフリカの熱帯雨林およびその周辺に限られています。本論文はその要因として、類人猿の消化機能の弱さと、オナガザル科と比較して生活史がゆっくりとしていることを指摘しています。 ... ...続きを見る
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2014/05/15 00:00
松本晶子「ヒヒはなぜサバンナへ移動したか?」『人類の移動誌』第1章「人類の移動を考える」コラム1
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収のコラムです。本コラムは、森林からサバンナへと進出した初期人類の生活様式のモデルとして、ヒヒを取り上げています。ヒヒはサバンナに現生する人類以外の霊長類でもっとも体が大きく、初期人類に近いからです。サバンナに進出した霊長類の捕食者対策としては、体の巨大化・速く走れるような体の構造・集団サイズの巨大化が考えられます。ヒヒの被捕食率は地域によりかなり違うそうで、集団サイズが大きいほど被捕食率は小さくなるそうです。本コラムは、初期人類も、体の... ...続きを見る
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2014/05/16 00:00
赤澤威「ネアンデルタールからクロマニョン人への交替劇」『人類の移動誌』第2章「アフリカからアジアへ」
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は考古学的証拠より、ネアンデルタール人(ホモ=ネアンデルターレンシス)から現生人類(ホモ=サピエンス)への「交替劇」の要因を、適応行動の違いに求めています。基本的には一次加工の石器しか製作しなかったネアンデルタール人には石器の使用場面までを考慮した石器製作にさいしての計画性はなく、ヨーロッパに進出した現生人類にはそれがあった、と本論文は指摘します。じゅうらいの知識・技術をそのまま活かせる既知環境を求めて盛衰を繰り返した... ...続きを見る
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2014/05/20 00:00
池谷和信「熱帯地域における狩猟採集民の移動の特徴」『人類の移動誌』第2章「アフリカからアジアへ」第2
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、アフリカの熱帯雨林地域と砂漠地域の狩猟採集民の事例から、狩猟採集民の移動の特徴をモデル化しています。本論文は、人類史の99%以上は狩猟採集の時代だった、と指摘しています。しかし、本論文で取り上げられているアフリカの熱帯雨林地域の狩猟採集民の事例からも明らかなように、現代の狩猟採集民の中には農耕民と密接な関係を築いている集団も多く、農耕開始前の狩猟採集民の行動の特徴を推測するのは容易ではありません。 ...続きを見る
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2014/05/31 00:00
斎藤成也「DNA解析が語る東南アジア人の移動誌」『人類の移動誌』第2章「アフリカからアジアへ」第3節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、ミトコンドリアDNAと核内DNA一塩基多型の解析から、東南アジアにおけるさまざまな人類集団の移動を復元した研究成果を提示しています。本論文は、フィリピンやボルネオなどへの人類の進出は、完新世になって台湾を拠点に行なわれた、とする「特急列車(出台湾)説」ではなく、更新世に大陸部東南アジアから行なわれたとする「早期列車説」が妥当だろう、と主張します。 ...続きを見る
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2014/06/03 00:00
佐々木史郎「シベリアに進出した狩人たち 北方狩猟民の寒冷地適応戦略」『人類の移動誌』第2章
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、本来熱帯性の動物である現生人類(ホモ=サピエンス)が、他の人類よりも広範に寒冷な地域へと進出できた要因として、技術・生活様式の点で柔軟性が高かったからではないか、との見解を提示しています。考古学的証拠から、これは有力な見解と言ってよいでしょうが、それが先天的(遺伝的)な資質の違いに由来するのか、それとも集団規模や他集団との交流の頻度といった人口密度など社会構造の違いに起因するのか、まだ確定したとは言い難い状況でしょ... ...続きを見る
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2014/06/05 00:00
野林厚志「台湾原住民の移動 居住地分布と居住様式の特徴からみる」『人類の移動誌』
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は台湾原住民の移動を考察するとともに、そこでの考察がオーストロネシア語族台湾原郷説と整合的なのか、論じています。本論文は、台湾原郷説で想定されている年代に台湾で航海術が発達していたことを示す考古学的証拠がないことや、とくに日本統治時代以降に、台湾で混血・移住による混在が進んで「民族集団」の特定が難しくなっていることなどから、台湾原郷説に慎重な姿勢を示しています。 ...続きを見る
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2014/06/07 00:00
小長谷有紀「旅立つ勝者 モンゴル遊牧民の現代的移動」『人類の移動誌』第2章
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収のコラムです。現代のモンゴルにおける移動の様相から、人類史における移動の意味について論じています。比較文化的な内容にもなっており、本書のなかではやや異色な感を受けます。現代のモンゴルでは、市場化の推進や雪害などのために、「大移動」と呼ばれる社会現象が生じ、大都市やその周辺への人口集中現象が見られたそうです。この「大移動」の特徴は、貧困層よりむしろ富裕層の方が移動したことだ、と指摘されています。 ...続きを見る
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2014/06/10 00:00
海部陽介「港川人の来た道」『人類の移動誌』第3章「日本へ」第1節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、港川人の特徴、その起源、港川人と縄文人との関係について、研究史を整理しています。日本列島全体では更新世の人骨は少ないのですが、琉球列島ではそれなりの数の人骨が発見されています。それらは断片的ではあるものの、その形態的特徴から、すべて現生人類(ホモ=サピエンス)に分類される、と本論文は指摘しています。 ...続きを見る
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2014/06/19 00:00
松本直子「縄文から弥生へ 農耕民の移動と新しい文化の誕生」『人類の移動誌』第3章「日本へ」第2節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文の特徴は、農耕民の移動を重視していることです。江戸時代への一般的印象から、農耕民は滅多なことでは移動しなかった、との通念が導かれることを懸念しているようです。また、農耕民と狩猟採集民との関係にさまざまな様相があり得たことを指摘しているのも本論文の特徴で、拡大する農耕文化にたいして、狩猟採集文化が吸収されてほとんど痕跡を残さないことも、狩猟採集社会がある程度以上の規模であるため、農耕文化の伝播が停止したり、狩猟採集社会の... ...続きを見る
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2014/06/24 00:00
小林青樹「縄文と弥生 日本列島を縦断する移動と交流」『人類の移動誌』第3章「日本へ」第3節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、弥生時代の開始について新説を採用しており、じゅうらいの年代観よりも弥生時代の開始が繰り上がることになります。そのため、弥生文化の伝播はゆっくりとしたものであり、「縄文の壁」がその前に立ちはだかった、というのが本論文の基本的な見通しとなります。この「縄文の壁」と弥生文化の伝播の在り様(本論文では「縄文の壁弥生文化伝播」と呼ばれています)は中四国や近畿や中部・東海や関東といった各地でそれぞれ異なっていたようです。 ... ...続きを見る
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2014/06/25 00:01
石田肇「北から移動してきた人たち」『人類の移動誌』第3章「日本へ」第4節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、形質人類学の研究成果を中心に、遺伝学的研究成果も引用し、北東アジアに起源のあるオホーツク文化集団がアイヌ民族の成立に影響を及ぼしていたことを主張しています。アイヌ民族は縄文人の形質を最も多く保存していることは間違いないにしても、単純な意味での直系子孫ではない、というわけです。また、オホーツク文化集団が海産物にかなり依存していたことも明らかになりつつあるようです。 ...続きを見る
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2014/06/27 00:00
高宮広土「奄美・沖縄諸島へのヒトの移動」『人類の移動誌』第3章「日本へ」第5節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、12世紀頃までの奄美・沖縄諸島への人類の移住について考察しています。沖縄諸島では、更新世の人骨が発見されています。更新世の沖縄諸島の人類と完新世以降の沖縄諸島の人類が連続しているのか断絶しているのか、まだ結論は出ていないようです。更新世の人骨から完新世の人骨まで1万年以上の空白期間があることが、断絶説の根拠となっています。島嶼環境への適応の難しさからも、連続説を安易に支持することはできないようです。 ...続きを見る
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2014/07/01 00:00
中橋孝博「大陸から移動してきた人たち」『人類の移動誌』第3章「日本へ」コラム3
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収のコラムです。本コラムは、縄文時代〜弥生時代の移行期における、いわゆる渡来人問題について考察しています。最初期の弥生文化の担い手については、在来の縄文人と渡来人のどちらに比重を置くのか、という議論があります。この問題を解決する手がかりとなる、縄文時代末期〜弥生時代移行期の北部九州の人骨が乏しく、縄文時代末の人骨にいたっては皆無のため、結論を下すのが難しくなっています。 ...続きを見る
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2014/07/03 00:00
関雄二「最初のアメリカ人の移動ルート」『人類の移動誌』第4章第1節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。アメリカ大陸への人類最初の移住はたいへん関心の高い問題であり、長年にわたって激論が展開されてきました。20世紀後半に一時主流となったのが、クローヴィス文化の担い手こそアメリカ大陸に移住した最初の人類だとするクローヴィス最古説で、たいへん大きな影響力を有しました。本論文でも、まずクローヴィス最古説とその根拠が取り上げられています。 ...続きを見る
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2014/07/08 00:00
篠田謙一「DNAから追及する新大陸先住民の起源」『人類の移動誌』第4章第2節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、アメリカ大陸への人類最初の移住というたいへん関心の高い問題についての遺伝学的研究を取り上げています。本論文で指摘されているのは、15世紀末以降、アメリカ大陸へヨーロッパから多くの人間が移住してきた影響です。これにより、アメリカ大陸先住民とはいっても、程度の差はあれヨーロッパ系の遺伝子を継承している人が多くなります。そうした問題点も指摘しつつ、本論文は近年の遺伝学的研究成果を簡潔に概観しており、この問題について把握す... ...続きを見る
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2014/07/10 00:00
印東道子「海域世界への移動戦略」『人類の移動誌』第4章「アメリカ大陸・オセアニアへ」第3節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文はオセアニアへの人類の移住について概観しています。ニア・オセアニアへの人類の移住は古く、50000〜40000年前頃までさかのぼりそうです。この最初の移住の時期は、現在よりも海水面が低く、スンダランドからサフルランドも含むニア・オセアニアまで、海上移動の距離が現在よりも短かったのが特徴となっています。これにたいして、5000〜3000年前頃に行なわれたリモート・オセアニアへの移動は、海上移動の距離が長いのが特徴でした。... ...続きを見る
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2014/07/12 00:00
須田一弘「移動から定住へ パプアニューギニア山麓部の事例から」『人類の移動誌』第4章第4節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、パプアニューギニアのクボ語集団の事例から、遊動型と定住型で人類社会がどのように変わるのか、見通しを提示しています。クボ語集団のシウハマソン集落の特徴は、資源利用にさいしての柔軟性です。ここでは父系親族集団が土地所有の単位となっており、半数以上の世帯は現在の集落の近くに土地を所有していませんが、土地の貸し借りがきわめて柔軟に行なわれており、土地所有者が借りる側からの要求を拒否することはありませんし、収穫物の贈与のよう... ...続きを見る
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2014/07/13 00:00
片山一道「人はなぜ海洋に乗り出したか?」『人類の移動誌』第4章コラム4
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収のコラムです。人類が海に接近するようになったのはせいぜい40万年前頃で、10万年前頃にはアフリカ南部で海産物が重要な食糧源となっていたものの、大きな転機は5万年前頃のことだ、と本コラムは指摘します。オーストラリアとニューギニアは当時陸続きで、サフルランドを形成していました。ユーラシア南東部には広大なスンダランドが出現していましたが、サフルランドとスンダランドは陸続きではなく、スンダランドからサフルランドへ移住するには航海が必要でした。 ... ...続きを見る
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2014/07/27 00:00
菊澤律子「ことばから探る人の移動」『人類の移動誌』第5章第1節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文では、言語学から人類の移動史をどのように推測できるのか、解説されています。オーストロネシア語族の事例から言語の系統分類がどのように推定されるのか、また、それと人類の移動とがどのように関わっているのか、という解説になっているわけです。オーストロネシア語族研究の前史として、16〜17世紀のオランダの文献におけるマダガスカルと熱帯アジア・太平洋の島々の言語との類似性の指摘があり、19世紀の草分け的な研究に続き、20世紀前半に... ...続きを見る
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2014/07/29 00:00
松村博文「歯が語る人類移動」『人類の移動誌』第5章第2節
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。身体の中で最も硬い組織である歯はそれだけ残りやすく、形態学的研究で重要な役割を果たしてきました。また歯冠は幼児期のうちに形成されるので、環境の影響が骨格より小さく、遺伝的影響をそれだけ強く反映していることから、人類の進化や系統関係を推定するのに有用であり、その点からも古くから盛んに研究されてきました。 ...続きを見る
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2014/07/31 00:00
米田穣「放射性炭素が書きかえる須藤の歴史 ネアンデルタール人と現生人類の交替劇」
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、放射性炭素年代測定法の原理と、その後の発展および問題の顕在化とその改善について概観しており、放射性炭素年代測定法についての理解の手がかりとしてたいへん有益だと思います。本論文で指摘されているように、放射性炭素年代測定法の歴史で転機となったのは加速器質量分析法(AMS法)の開発で、これにより応用範囲が大きく広がりました。 ...続きを見る
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2014/08/03 00:00
徳永勝士「ゲノム全域の多様性解析からみえる人類移動」『人類の移動誌』第5章第4節
 今日はもう1本掲載します。印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、技術革新によりヒトゲノム全域の多様性解析と多数の個体の解析が可能になったことで、じゅうらいよりも格段に精度の高い分析が可能になった、と指摘します。こうした研究は近年になって世界各地で進められており、続々と研究成果が公表されつつあります。日本列島における人類集団の形成についても、ゲノム全域を用いた研究が進められており、先住の縄文人と後に渡来してきた弥生文化の担い手との融合によるという「二重構... ...続きを見る
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2014/08/07 00:00
米田穣「同位体生態学からみた人類の移動 食生態の進化が支えた人類の拡散」『人類の移動誌』第5章第5節
 今日はもう1本掲載します。印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、人類の食生態研究に同位体分析が有効であることを指摘し、近年の「同位体生態学」の研究成果を紹介しています。動物の歯や骨の同位体比分析から、その動物の食生態を推定できる、というわけです。「猿人」については、「頑丈型」も「華奢型」も、森林・草原両方の植物資源を利用していたことが明らかになりました。これにたいしてチンパンジーは、サバンナに近い森林に住んでいても、ほとんど草原植物を利用していなかった... ...続きを見る
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2014/08/12 00:00
木村亮介「ゲノムからみた男と女の移動のちがい」『人類の移動誌』第5章コラム5
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収のコラムです。本コラムは、ミトコンドリアDNAや性染色体の分析から、性別によって人類の移動や混血にどのような偏りが生じたのか、という研究を紹介しています。この偏りの原因の一つとして、婚姻後の居住形態が考えられます。夫方居住社会では、Y染色体はミトコンドリアDNAと比較して分集団間で配列の違いが大きくなり、妻方居住社会では、その逆になる、というわけです。20世紀末には、ミトコンドリアDNAよりもY染色体の方が一般的には集団間分化が大きく、... ...続きを見る
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2014/08/14 00:00
丸川雄三「「人類の移動誌」ホームページについて」『人類の移動誌』第5章コラム6
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収のコラムです。本書は国立民族学博物館の共同研究「人類の移動誌─進化的視点から」の成果をまとめた論文集です。研究会独自のホームページは以前から設置されており、一般に公開されています。研究会の参加メンバー以外の人が発表内容などを知る機会が少ないので、可能な範囲で発表資料を一般に公開することにしたそうです。 ...続きを見る
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2014/08/17 00:00
総合討論「人類は移動する動物なり」『人類の移動誌』第6章
 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の総合討論です。この総合討論は、「人はどのようなときに移動するのか」・「人の移動を支えるもの」・「人にとって移動とは何か」の3部構成となっています。総合討論ということもあり、一つの結論に収束するとか、整然と見解が主張されているとかいうわけではなく、多様な論点が提起され、それに関してしばしば相互に対立的な見解が主張されています。表題では「人類は移動する動物なり」となっていますが、この総合討論を読むと、人類は消極的に移動することも積極的に移... ...続きを見る
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2014/08/20 00:00
印東道子編『人類の移動誌』の記事のまとめ
 印東道子編『人類の移動誌』所収の各論文・コラム・討論について取り上げた記事がかなりの数になったので、以下にまとめておきます。 ...続きを見る
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2014/08/27 00:00

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