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zoom RSS 高宮広土「奄美・沖縄諸島へのヒトの移動」『人類の移動誌』第3章「日本へ」第5節

<<   作成日時 : 2014/07/01 00:00   >>

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 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、12世紀頃までの奄美・沖縄諸島への人類の移住について考察しています。沖縄諸島では、更新世の人骨が発見されています。更新世の沖縄諸島の人類と完新世以降の沖縄諸島の人類が連続しているのか断絶しているのか、まだ結論は出ていないようです。更新世の人骨から完新世の人骨まで1万年以上の空白期間があることが、断絶説の根拠となっています。島嶼環境への適応の難しさからも、連続説を安易に支持することはできないようです。

 完新世になると、沖縄諸島でも人類の確かな痕跡が継続的に確認されるようになります。こうして島嶼環境に適応した人類の特徴として、交易は行なっていたものの、保守性というか、移動しなかったことを本論文は挙げています。島嶼環境内でじゅうぶんに生活を維持できたので、積極的に外へ移動する理由がなかったのだろう、と本論文は指摘しています。貝塚時代に安定していたというか静的だった沖縄諸島が大きく変わるのがグスク時代で、農耕の開始や中国産陶磁器など外来要素が突如出現します。これらは先島諸島へと伝わり、奄美・沖縄諸島と先島諸島が初めて一つの文化圏となります。

 また、グスク時代の沖縄諸島の人類とそれ以前の沖縄諸島の人類とでは形質的にかなり異なることが判明し、沖縄近世人が渡来系弥生人・古墳時代人・鎌倉時代人に近いとの形質人類学の研究成果とも併せて、グスク時代の開始にさいして、外部から沖縄諸島への人類の流入がかなりあったのではないか、と推測されています。ただ、そうした沖縄諸島へ流入してきた人々がどこからやって来たのかというと、漠然と南九州とも言われているものの、まだ詳細なところでは曖昧さが残っているようです。


参考文献:
高宮広土(2014)「奄美・沖縄諸島へのヒトの移動」印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(臨川書店)第3章「日本へ」第5節P182-197

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