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zoom RSS Bernard Wood「直系祖先は誰だ?枝の多い系統樹」

<<   作成日時 : 2014/11/05 00:00   >>

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 『日経サイエンス』2014年12月号の特集「人類進化 今も続くドラマ」(関連記事)第1部「我々はどこから来たのか」に掲載された解説です。碩学のウッド氏が、人類の進化系統樹がたいへん複雑なものであることを解説しています。人類の進化に関して、発見された人類化石がまだ少なかった時代には、単系統的な見解が影響力を有したこともありました。それは、アウストラロピテクス属→エレクトス(Homo erectus)→ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)→現生人類(Homo sapiens)という進化図式で、日本でも影響力が大きかったのではないか、と思います。

 しかし、人類化石の発掘数が増加するにつれて、人類史のうえでは複数種(系統)が同時に存在していた時代の方が長いことが明らかになってきました。化石記録では種の数が過小に見積もられていることが多く、硬組織だけでは種の判別が難しいことからも、人類史において同時代に複数種が存在していた可能性は高い、とウッド氏は指摘します。そのため、どの人類種が現代人の祖先なのか、とくにDNA解析が期待できそうにない100万年以上前に関しては、判断が難しくなっています。

 人類の進化要因として、ウッド氏は気候変動と人類間の競争を挙げています。後者の一例としてウッド氏が想定しているのが、ハビリス(Homo habilis)とボイセイ(Paranthropus boisei)です。2種の人類が生息地を共有していたら、互いに異なる戦略をとったのではないか、というわけです(形質置換)。ボイセイは堅くて繊維質のものを、ハビリスは果物のように柔らかくて獲得困難なものを主に食べました。こうした違いは、社会観や習慣の違いに結びついていき、交雑を妨げた可能性がある、とウッド氏は指摘しています。

 ウッド氏はこのように人類の進化系統樹が複雑なものだったことを指摘し、400万年以上前の人類種が今後増えていくだろう、との見通しを提示しています。これまでに400万年以上前の遺跡が調べられたことは少なく、調査範囲もアフリカ大陸のごく一部でしかないから、というのがその理由です。ただ、化石が古くなればなるほど、現代人の直系祖先・その近縁種・チンパンジーの祖先・現生種のいない系統のいずれなのか、判断するのが難しくなる、とも指摘されています。


参考文献:
Wood B. (2014C)、『日経サイエンス』編集部訳「直系祖先は誰だ?枝の多い系統樹」『日経サイエンス』2014年12月号P56-61

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