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zoom RSS 現代人の骨密度低下の要因

<<   作成日時 : 2014/12/24 00:00   >>

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 現代人の低い骨密度の出現時期についての研究(Chirchir et al., 2015)と、その要因および危険性についての研究(Ryan, and Shaw., 2015)が報道されました。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。これらの研究はオンライン版での先行公開となります。これらの研究では、現生人類(Homo sapiens)の人骨が、チンパンジーのような現生霊長類や、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)・アウストラロピテクス属のアフリカヌス(Australopithecus africanus)・パラントロプス属(アウストラロピテクス属と分類する見解もあります)のロブストス(Paranthropus robustus)・初期ホモ属のような化石人類の骨と比較されました。また現生人類間では、更新世の初期現生人類と完新世の採集民および農耕民が比較されました。

 そうした分析結果が示しているのは、現生人類の骨密度が減少して骨が脆くなったのは真のホモ属たるエレクトス(Homo erectus)が出現しただろう200万〜180万年前頃でも、現生人類が出現しただろう30万〜15万年前頃でもなく、完新世になってからであり、それは身体活動の減少に起因している、ということです。現生人類間の比較では、定住性の高い農耕民よりも遊動的採集民の方が骨密度は高いことが明らかになりました。完新世になって農耕が始まり定住性が高まるとともに、文化・技術の「発展」により身体活動が減少したことが、他の現生霊長類や他系統の人類のみならず、初期現生人類よりも現代人が華奢になった要因だろう、というわけです。

 こうした人類の華奢化・骨構造の脆弱化は、骨折の危険性を増大させます。また、加齢に伴い骨密度は低下していきます。そのため、現代人の低い骨密度の危険性を指摘した論文では、健康の維持のために生涯を通じての身体的活動というか運動の重要性が強調されています。とはいえ、交通手段がひじょうに発達した現代社会において、身体的活動の量を増やそうとすると、かなりの決心が必要ではあるでしょう。(ある程度以上「発展」した)現代社会の問題点というか、現代人の脆さを改めて思い知らされた研究です。


参考文献:
Chirchir H. et al.(2015): Recent origin of low trabecular bone density in modern humans. PNAS, 112, 2, 366–371.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1411696112

Ryan TM, and Shaw CN.(2015): Gracility of the modern Homo sapiens skeleton is the result of decreased biomechanical loading. PNAS, 112, 2, 372–377.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1418646112

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