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zoom RSS 人類の水産資源の利用

<<   作成日時 : 2014/12/27 00:00   >>

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 195万年前頃の人類の食性についての研究(Braun et al., 2010)が報道されました。この研究を取り上げるのはかなり遅れてしまいました。メモ帳を整理していて、4年以上前にこの研究を取り上げようと思って記録しておいたものの、不覚にも最近まで失念していたことに気づきました。今更ではありますが、せっかく気づいたので、取り上げることにします。

 本論文は、ケニアのトゥルカナ盆地の「FwJj20」遺跡について報告しています。「FwJj20」遺跡では、オルドワン(オルドヴァイ文化)石器群とともに、195万年前頃の人類が消費した痕跡のある動物の骨が発見されました。それら動物の骨の分析から、人類は肉だけではなく骨髄も食べていたのではないか、と推測されています。そうした人類が食べた動物のなかには、陸生だけではなく水生のものもありました。それは、亀・鰐・魚などです。これは、2010年の時点では、人類が水生動物を食べていた証拠としては最古の事例となります。

 「FwJj20」遺跡では人骨が発見されていないので、水生動物も食べていた人類がどの系統なのか、不明です。本論文は、195万年前頃にはまだエレクトス(Homo erectus)は出現していなかったから、エレクトスの出現前に人類は水生動物を食べていたのであり、それが脳の巨大化に大きな役割を果たしたのではないか、との見解を提示しています。爬虫類や魚類の肉には、脳を成長させる長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)がとくに豊富に含まれています。

 ただ、この研究に参加していないディーン=フォーク(Dean Falk)博士は、人類の脳は200万年前頃に急激に大きくなったわけではない、と指摘しています。じっさい、人類の脳の巨大化は、(ホモ属もしくはアウストラロピテクス属に区分される)ハビリス(Homo habilis)に分類されている人骨群に見られ、その年代は200万年以上前までさかのぼりそうです。とはいえ、脳の巨大化をもたらすような遺伝子が効果的に働くのに、水生動物の消費が大きな役割を果たした可能性は高いだろう、と思います。

 おそらく人類による水生動物の消費は250万年前頃には始まっており、人類の脳の巨大化というか、脳の巨大化をもたらすような遺伝的変異の定着の前提条件の一つとなったのでしょう。なお本論文は、195万年前頃にはまだエレクトスは出現していなかった、としていますが、今後200万年前頃のエレクトスの人骨がアフリカ東部で発見される可能性は、それなりにあるように思います。また、アフリカの初期エレクトスについては、東南アジアや東アジアのエレクトスと区別して、エルガスター(Homo ergaster)と区分する見解も提示されています。


参考文献:
Braun DR. et al.(2010): Early hominin diet included diverse terrestrial and aquatic animals 1.95 Ma in East Turkana, Kenya. PNAS, 107, 22, 10002-10007.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1002181107

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