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zoom RSS ネアンデルタール人の骨角器

<<   作成日時 : 2015/01/17 00:00   >>

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 今日はもう1本掲載します。ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の骨角器に関する研究が報道されました。どうも、その研究とはこの論文のことのようなのですが、フランス語なので私には読めないため、報道のみを参考にします。2014年6月に、フランスのブルゴーニュ地域圏のアルシーシュルキュール(Arcy-sur-Cure)にあるビゾン洞窟(the Grotte du Bison)において、60000〜55000年前頃の骨角器が発見されました。これはトナカイの成体の左大腿骨から作られていました。地域・年代からして、製作したのはほぼ間違いなくネアンデルタール人でしょう。

 その骨角器の傷痕(および使用痕)の分析により打撃痕(パーカッションマーク)が確認されました。骨角器は石器製作において剥離などに使用され、削器(スクレイパー)的な役割を果たして多目的(汎用的)に使われたのではないか、と推測されています。こうした汎用的な骨角器でネアンデルタール人の所産となると初のことで、ネアンデルタール人も骨の力学的特性を認識したうえで、骨を道具として使っていたのではないか、と推測されています。

 石材が豊富な環境にありながら、わざわざ骨角器を製作して使用したわけですから、ネアンデルタール人の思考は硬直的なのではなく機会主義的、つまりある程度以上柔軟なのであり、こうした骨角器を製作できることからも、ネアンデルタール人と現生人類(Homo sapiens)との認知能力の違いはじゅうらい想定されていたよりも小さいのではないか、とも指摘されています。

 また、この骨角器の傷痕の分析から、ネアンデルタール人は骨角器の製作を主目的としてこのトナカイの骨を入手したのではなく、狩猟(もしくは死肉漁り)でトナカイの成体を得て、肉と骨髄を食べた後に、道具として利用したのだろう、と推測されています。ネアンデルタール人はトナカイを解体して食べた後に、骨角器として使えそうな骨を選んだ、ということなのでしょう。

 どうも現時点では、6万〜5万年前以前にネアンデルタール人と現生人類とで文化の「発展度」や「文化発展」の速度が決定的に異なっていた、と考古学的に断定することは難しいようです。そうすると、少なくとも現時点では、ネアンデルタール人と現生人類との間に認知能力の点で決定的な違いがあったのか、判断を保留しておくのが妥当なのでしょう。ただ、両者の間に何か認知能力の違いがあり、それがある局面で重要な役割を果たした、という可能性は低くないように思います。

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