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zoom RSS 金子守恵「土器の製作と学習への民族考古学的アプローチ─エチオピアにおける土器のかたちと動作連鎖─」

<<   作成日時 : 2015/02/02 00:00   >>

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 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人2─考古学からみた学習』所収の論文です(関連記事)。本論文は、エチオピア西南部の定住農耕集団であるアリ人の土器製作の学習行動を検証しています。この地域は10月〜翌年3月頃までが乾季で、それ以外が雨季となります。年間降雨量は1000mm弱で、熱帯高地に属します。アリ人は人口20万人ほどで、土器製作に従事しているのは女性の職能集団です。この地域の職能集団は3つに分かれており、それぞれ婚姻関係を結ぶことと食事を共にとることが禁じられています。婚姻形態は夫方居住制で、土器職人たる女性は結婚すると夫の住居に移ります。

 この地域では、金属製やプラスチック製の容器もしだいに使われるようになってきていますが、今でも土器は多く使われています。土器の販売は、仲買人を介してではなく、職人自らが行なっています。購入者は、自分の好みに合う熟練の土器職人との関係を深めようとする傾向があるそうです。土器の形状に関しては柔軟性があるようで、以前とは異なる形状の土器が浸透・定着することや、購入者の要望に応じて特殊な形状の土器が製作されることもあるようです。

 土器製作を本格的に始めるのは6〜7歳頃からですが、それ以前にも遊びのような感じで子供が土器に関わることもあるようです。子供たちは母親から土器製作を学習するのですが、母親が言語で明示的に教授することは、粘土と砂の割合や土器の乾燥具合の確認などくらいで、少ないようです。また子供の段階でも、製作から販売まで焼成作業以外は基本的に自分で行ないます。この地域の土器製作は個人の判断で学習していく側面が強いようで、それが革新性・創造性の発揮の契機になっているのではないか、と本論文は指摘しています。


参考文献:
金子守恵(2014)「土器の製作と学習への民族考古学的アプローチ─エチオピアにおける土器のかたちと動作連鎖─」西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人2─考古学からみた学習』(六一書房)P90-103

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