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zoom RSS 初期ホモ属の多様性

<<   作成日時 : 2015/03/12 00:00   >>

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 初期ホモ属の多様性に関する研究(Ward et al., 2015)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。初期ホモ属の形態については頭蓋の多様性が指摘されており、複数の種(系統)が共存していた可能性が想定されています。本論文は、ケニアのクービフォラ(Koobi Fora)で発見された190万年前頃の腸骨と大腿骨の分析・比較から、初期ホモ属の多様性を検証しています。これらの人骨はまず1980年に発見され、2009年の再調査で残りが発見されました。

 クービフォラで発見された190万年前頃の腸骨と大腿骨近位部には、ホモ属にのみ見られる特有の形態が確認されました。一方で、大腿骨の骨幹中央部と骨盤入口部の形態は、同じ初期ホモ属でもアフリカ東部のエレクトス(Homo erectus)と分類されている人骨群には類似していませんでした。なお、アフリカの初期エレクトスを別種エルガスター(Homo ergaster)と分類する見解もあります。本論文は、初期ホモ属においては頭蓋のみならず、身体部分でも多様性が見られたのではないか、と指摘しています。

 ただ本論文の筆頭著者であるワード(Carol V. Ward)博士は、この研究により身体部分でも初期ホモ属の多様性が確認された、とその意義を強調しつつも、そうした身体構造の違いが移動や生活様式の違いをもたらしていたと断定することはできない、と注意を喚起しています。この研究チームは、クービフォラで発見された190万年前頃の腸骨と大腿骨は、初期ホモ属のルドルフェンシス(Homo rudolfensis)かハビリス(Homo habilis)に分類されるのではないか、との見解を提示しています。なお、ルドルフェンシスとハビリスについては、アウストラロピテクス(Australopithecus)属に分類する見解もあります。

 ホモ属では複数の種が100万年間ほど共存していた、とワード博士が指摘しているように、初期ホモ属の進化は単系的な一直線状のものではなく、複雑な入り組んだものだったようです。最近相次いで公表された研究でも、初期ホモ属の多様性が指摘されています(関連記事)。研究の進展につれて、初期ホモ属のみならず人類の進化が複雑だったことが明らかになってきたように思います。人類単一種説に代表される単系統的な人類進化図は、もはや破綻したと言えるでしょう。ただ、種区分と種内多様性の評価の難しさを考えると、単純に初期ホモ属の複数系統の共存を強調することはできないだろう、とも思います。


参考文献:
Ward CV. et al.(2015): Associated ilium and femur from Koobi Fora, Kenya, and postcranial diversity in early Homo. Journal of Human Evolution, 81, 48–67.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2015.01.005

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