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zoom RSS 50万年前までさかのぼるかもしれない人類による環境への大規模な影響

<<   作成日時 : 2015/03/15 00:00   >>

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 人類が自然環境に多大な影響を及ぼし、景観を大きく変えたかもしれない事例が、中期更新世までさかのぼるかもしれないことを報告した研究(Foley, and Lahr., 2015)が報道されました。本論文が調査して分析したのは、中央サハラ砂漠の砂岩(石器製作に適していたのではないか、と指摘されています)の中央山塊一帯の地表に散乱している、膨大な数の石器と石器製作のさいに生じる石の剥片です。この一帯は、現代の国境線を基準にするとリビアの南部に位置します。

 本論文は、この一帯の地表には平均すると1uあたり75個の石器と石が存在する、との調査結果を報告しています。本論文に掲載されている写真を見ると、石器と石が地表を覆っていて、壮観と言える風景となっています。石器は地表に散乱しているので、その年代については石器の形式・製作技術が判断材料となります。本論文は、地表に散乱しているこれらの石器が、伝統的な石器製作技術の区分(関連記事)だと様式2(Mode 2)と様式3(Mode 3)に相当する、と報告しています。

 これら地表の石器群には様式4(Mode 4)や様式5(Mode 5)は見られないため、本論文は、この石器群が後期石器時代や上部旧石器時代の前に散乱したものであり、確実に新しくとも5万年以上前、おそらくは10万年以上前になるだろう、との見解を提示しています。さらに本論文は、様式2の石器が見られ、アフリカでは様式3の起源が50万年以上前までさかのぼることから、これら地表の石器群が50万年前頃までさかのぼる可能性を指摘し、景観を大きく変えるような自然環境への多大な人為的影響が、12000〜10000年前頃の農耕の始まりよりもはるか前に起きていた、と強調しています。

 また本論文は、実験考古学的なデータから、石器製作のさいの石核からの剥離過程において、様式2と様式3では2p以上の剥片屑が平均して63.9個生じる、と推定しています。さらに本論文は、1人の石器製作数を年間10〜100個と推定しており、これらの推定から、中央サハラ砂漠で表面が広範に石器や石で覆われるような状況が出現してもおかしくないことを示しています。人類の自然環境への影響となると、農耕や産業革命の始まりが注目されますが、更新世の時点ですでに、人類は自然環境を大きく変え得る潜在的な力を有していた、と言えそうです。


参考文献:
Foley RA, Lahr MM (2015) Lithic Landscapes: Early Human Impact from Stone Tool Production on the Central Saharan Environment. PLoS ONE 10(3): e0116482.
http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0116482

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