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zoom RSS 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』

<<   作成日時 : 2015/04/18 00:00   >>

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 六一書房より2015年3月に刊行されました。2010〜2014年にかけて、文部科学省科学研究費補助金・新学術領域研究として「ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究」が行なわれることは、このブログでも以前取り上げました(関連記事)。この研究計画には公式サイトが設置されており、さまざまな情報が公開されています。

 本書は、西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人─旧石器考古学からみた交替劇』(関連記事)および西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人2─考古学からみた学習』(関連記事)の続編となり、研究会・シンポジウムなどにおける講演録に基づいて書き起こされた各論文を所収しています。講演録が元になっているので、文体は口語調になっていますが、新たに書き起こされているので、読みにくいということはありません。なお、後書は書き下ろしなので、文語調になっています。本書の構成は以下の通りです。


第1部:ヒトの交替劇―考古学的証拠―

●門脇誠二「ホモ・サピエンスの地理分布拡大に伴う考古文化の出現パターン―北アフリカ・西アジア・ヨーロッパの事例―」

●佐野勝宏・大森貴之「ヨーロッパにおける旧人・新人の交替劇プロセス」

●野口淳「南アジア・アラビアの後期旧石器化と新人拡散」

●長沼正樹「新人拡散期の石器伝統の変化―ユーラシア東部―」


第2部:文化の交替劇―新人遺跡が語るモデル―

●倉純「新大陸への新人の拡散―新人の拡散過程に関する比較考古学的アプローチ―」

●仲田大人「日本列島旧石器時代の文化進化」

●小林謙一「縄紋土器にみる新人の文化進化」

●松本直子「縄文から弥生への文化変化」


第3部:交替劇の背景

●佐野勝宏「複合的狩猟技術の出現―新人のイノベーション―」

●松本直子「新人・旧人の認知能力をさぐる考古学」

●前田修「西アジアにおける新石器化をどう捉えるか」

●小林豊「中期旧石器時代から後期旧石器時代への文化の移行パターンを左右する人口学的要因について」


●西秋良宏「ヒトと文化の交替劇、その多様性―あとがきにかえて―」


 各論文は充実した内容なので、それらをまとめてこのブログで単独の記事として取り上げるのは難しいと判断し、各論文を個別に取り上げることにします。各記事からはこの記事へトラックバックを送り、この記事がまとめ的な記事として機能するようにします。


参考文献:
西秋良宏編(2015A)『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』(六一書房)

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タイトル (本文) ブログ名/日時
門脇誠二「ホモ・サピエンスの地理分布拡大に伴う考古文化の出現パターン」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文は、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)やデニソワ人(種もしくは亜種区分未定)との交雑も想定した、現生人類(Homo sapiens)アフリカ単一起源説を前提として、現生人類の地理的拡大の過程が考古記録にどのように反映されているのか、現生人類の拡大とネアンデルタール人など在地の先住人類の絶滅または現生人類への交雑を通じた吸収の要因について、当時の行動記録や環境から明らか... ...続きを見る
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2015/04/21 00:00
佐野勝宏・大森貴之「ヨーロッパにおける旧人・新人の交替劇プロセス」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文は、ヨーロッパにおけるネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)から現生人類(Homo sapiens)への「交替劇」を検証しています。近年では、新たな放射性炭素年代測定法によりヨーロッパの旧石器時代の年代の見直しが続いており、ネアンデルタール人の絶滅年代が以前の想定よりもさかのぼる傾向にあります。本論文もそうした傾向を踏まえ、51000〜37000年前頃のヨーロッパの各遺跡... ...続きを見る
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2015/04/24 00:00
野口淳「南アジア・アラビアの後期旧石器化と新人拡散」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文は、おもに南アジアとアラビア半島を対象に、現生人類(Homo sapiens)の出アフリカを検証しています。現生人類の出アフリカに関しては、その経路・回数・時期が議論となっています。経路に関しては、アフリカ北東部からレヴァントへと進出したのか(北回り説)、それともアフリカ東部からアラビア半島を経て南アジアへと進出したのか(南回り説)、ということが議論されています。回数に関しては、1回だったのか、そ... ...続きを見る
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2015/04/27 00:00
長沼正樹「新人拡散期の石器伝統の変化―ユーラシア東部―」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文はユーラシア東部における現生人類(Homo sapiens)の拡散を検証しています。ユーラシア東部における現生人類の拡散は、ユーラシア西部と比較して考古学的には分かりにくいところがあります。遺跡の発掘数・密度とともに、研究史も違っていることが一因のようです。本論文を読んで改めて、ユーラシア西部との違いを痛感しましたが、これは私の勉強不足に起因するところもあるのでしょう。 ...続きを見る
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2015/05/03 00:00
倉純「新大陸への新人の拡散―新人の拡散過程に関する比較考古学的アプローチ―」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文はアメリカ大陸への現生人類(Homo sapiens)の移住を考古学から検証しています。おもに遺伝学の分野の研究成果から、現生人類のアメリカ大陸への拡散に関しては、支持を集めつつある有力な仮説が提示されています。それはベーリンジア(ベーリング陸橋)潜伏(隔離)モデルとも言うべきものであり、ユーラシア北東部(シベリア)からベーリンジアに3万年前頃に進出した現生人類が、16000年前頃までそこに留まっ... ...続きを見る
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2015/05/06 00:00
仲田大人「日本列島旧石器時代の文化進化」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文は日本列島における旧石器時代の技術革新を検証しています。日本列島における確実な年代の人類の痕跡は38000年前頃までさかのぼる、との見解を本論文は前提としています。それ以前の人類の痕跡についても議論されていますし、それがなかったというわけではないのですが、確かな根拠のある痕跡としては、現時点では38000年前頃以降のものしか認められない、というわけです。 ...続きを見る
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2015/05/11 00:02
小林謙一「縄紋土器にみる新人の文化進化」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文は縄文時代中期の東日本の土器の変化を検証しています。すでに著者は、この時期の縄文土器の精緻な形式編年を提示していますが、形式編年では土器の出現順序は分かるものの、その具体的な年代や継続期間は確定できません。本論文は、放射性炭素年代測定法より各形式編年の暦年代を確定していき、土器の変化の速度を具体的に検証していこうとします。 ...続きを見る
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2015/05/14 00:00
松本直子「縄文から弥生への文化変化」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文は縄文時代から弥生時代への移行の様相とその要因について検証しています。近年の一般向け書籍でも強調されているので、すでに広く知られつつあるかもしれませんが、弥生文化は縄文的要素と外来要素との融合により成立しました。本論文でもその点は強調されており、さらに、その前提として縄文時代において九州北部と朝鮮半島との間で継続的な交流があり、九州北部をはじめとして西日本側が朝鮮半島の文化要素を選択的に受容してい... ...続きを見る
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2015/05/17 00:00
佐野勝宏「複合的狩猟技術の出現―新人のイノベーション―」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。投槍器や弓を用いての投射は複合投射技術と呼ばれます。本論文は、石器・骨角器・木器という3素材の組み合わせ狩猟具を複合的狩猟技術と呼び、その発達史を検証しています。現存する最古の槍は、ドイツのシェーニンゲン(Sch&#246;ningen)遺跡で発見されたものです。その年代は40万年前頃とされていましたが、その後、30万年前頃との推定年代が提示されています。シェーニンゲン遺跡の槍を用いていた人類がどの系統... ...続きを見る
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2015/05/19 00:00
松本直子「新人・旧人の認知能力をさぐる考古学」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文は現生人類(Homo sapiens)とネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)との認知能力の違いを、認知考古学的見地から検証しています。現生人類とネアンデルタール人との認知能力については、生得的な違いがあったのか否か、ということが議論されています。現在でも結論が出ているとは言い難い状況なのですが、両者は分岐してから解剖学的にも遺伝学的にも異なる特徴を発達させてきたので、生... ...続きを見る
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2015/05/24 00:00
前田修「西アジアにおける新石器化をどう捉えるか」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文は西アジアにおける新石器化を検証しています。本論文でまず指摘されているのは、新石器時代の指標とされる農耕牧畜(食糧生産)の開始を認定することの難しさです。たとえば、ムギの生産にしても、栽培種が優越するのは新石器時代の開始からかなり経過した後のことであり、その前に野生種を用いての長期の栽培期間(プレドメスティケーション)がありました。これは家畜についても同様で、どの時点から食糧生産が始まったと認定す... ...続きを見る
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2015/05/27 00:00
小林豊「中期旧石器時代から後期旧石器時代への文化の移行パターンを左右する人口学的要因について」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文は、数理モデルの研究成果に基づき、「旧人」と「新人」の交替および文化の移行パターンを検証しています。本論文が検証しているのはあくまでも数理モデルであり、具体的な地域・文化の継承パターンを取り上げているわけではありません。正直なところ、私の見識ではじゅうぶんに理解できていなさそうですが、理解した範囲で以下に簡潔にまとめてみます。 ...続きを見る
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2015/06/02 00:00
西秋良宏「ヒトと文化の交替劇、その多様性―あとがきにかえて―」
 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文はおもにユーラシアを対象に、「交替劇」の様相を概観しています。この「交替劇」の様相については、大幅に改良された放射性炭素年代測定法によって、以前よりも信頼度の高い推定年代が得られるようになったので、近年になって大きな進展があった、と本論文は指摘しています。本論文の挙げる「交替劇」についてのもう一つの大きな進展は、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)やデニソワ人(種もしく... ...続きを見る
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2015/06/06 00:00

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