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zoom RSS アメリカ大陸における更新世末期の狩猟と大型動物の絶滅

<<   作成日時 : 2015/04/09 00:00   >>

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 カナダのウォリー海岸(Wally’s Beach)遺跡で発見された更新世末期の大型動物の狩猟の痕跡と、アメリカ大陸における大型動物の絶滅に関する研究(Waters et al., 2015)が報道されました。以下、この記事の年代は全て、放射性炭素年代測定法に基づく較正年代です。ウォリー海岸遺跡では、人間によって狩られた7頭のウマと1頭のラクダが発見されており、どの文化に属するか明確ではない29個の石器が共伴しています。ウマとラクダの年代は13300年前で、短期間で殺害されたと推測されています。

 アメリカ大陸では、更新世末期に多くの大型動物が絶滅しました。ウォリー海岸遺跡以外では、マンモス・マストドン・ナマケモノ・ゴンフォセレ(中南米にいた絶滅した象)といった絶滅大型動物が、14800〜12700年前に人間の狩猟対象となったことが知られています。ウォリー海岸遺跡での発見より、およそ12700年前までにアメリカ大陸で絶滅した大型動物36属のうち6属が人間によって狩猟されたことになる、と本論文では指摘されています。

 アメリカ大陸における更新世末期の大型動物絶滅の理由に関しては、気候変動説と人為説とが提唱されており、どちらが要因だったのかということをめぐって、議論が続いています。本論文によると、現時点では、12700年前までにアメリカ大陸で絶滅した大型動物のうち、人間の狩猟対象となったことが確実なのは約16.7%に留まっています。本論文の筆頭著者のウォーター(Michael R. Waters)博士は、寒冷気候に適応していた大型動物にとって、更新世末期の温暖化が打撃になった可能性を指摘しています。

 ウォリー海岸遺跡で発見された石器は、どの文化に属するのか明確ではありませんが、クローヴィス(Clovis)文化に属するものではないので、ウォーター博士は、クローヴィス文化の出現の前にアメリカ大陸に人類が到達していたさらなる証拠が得られた、と指摘しています。ただ、クローヴィス文化は13390年前までさかのぼると報告されていますので(関連記事)、ウォリー海岸遺跡の年代はそれよりやや新しくなりそうです。とはいえ、クローヴィス文化よりも古い痕跡がアメリカ大陸で複数発見されているわけですから、クローヴィス文化の担い手がアメリカ大陸に到達した最初の人類である、とするクローヴィス最古説は、もはや成り立たないと言えるでしょう。


参考文献:
Waters MR. et al.(2015): Late Pleistocene horse and camel hunting at the southern margin of the ice-free corridor: Reassessing the age of Wally’s Beach, Canada. PNAS, 112, 14, 4263–4267.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1420650112

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