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zoom RSS 小林謙一「縄紋土器にみる新人の文化進化」

<<   作成日時 : 2015/05/14 00:00   >>

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 西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』所収の論文です(関連記事)。本論文は縄文時代中期の東日本の土器の変化を検証しています。すでに著者は、この時期の縄文土器の精緻な形式編年を提示していますが、形式編年では土器の出現順序は分かるものの、その具体的な年代や継続期間は確定できません。本論文は、放射性炭素年代測定法より各形式編年の暦年代を確定していき、土器の変化の速度を具体的に検証していこうとします。

 たとえば、南東北地方の大木式では、10a期が約30年(紀元前2950年〜紀元前2920年)、その後に継続していく10b期・10C期・11a期・11b期もそれぞれ30年ほど継続しています。その後に継続する11c1期・11c2期は20年ほど継続し、ここまでは割と短期間で変化していくのですが、12期・13期になると、1期が40〜80年と長く継続するようになります。じゅうらいは、形式編年の各期の長さをおおむね同じものと考える傾向もあったものの、じっさいには、1期の継続期間には差があるようだ、というのが本論文の見解です。

 各形式編年の継続期間に長短の違いがある要因はまだ明らかではないのですが、社会的構造、とくに人口と関係があるのではないか、との見解を本論文は提示しています。人口が増加していくような社会的変動期には土器の変化が速く、人口も集落数も増えて安定した段階を迎えると、土器の変化が緩やかになるのではないか、というわけです。ただ、人口増により技術革新の可能性も高まるのではないか、とも考えられるので、この仮説については今後も検証が必要なのではないか、と思います。


参考文献:
小林謙一(2015)「縄紋土器にみる新人の文化進化」西秋良宏編『ホモ・サピエンスと旧人3─ヒトと文化の交替劇』(六一書房)P94-109

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