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zoom RSS 青銅器時代のヨーロッパの女性の生涯

<<   作成日時 : 2015/06/03 00:00   >>

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 青銅器時代のヨーロッパの女性人骨についての研究(Frei et al., 2015)が報道されました。ナショナルジオグラフィックでも報道されています。この研究は、1921年にデンマークのエグトベド(Egtved)村で発見された、3400年前頃の推定16〜18歳の女性遺骸を分析しています。歯のエナメル質のストロンチウム同位体比の分析からは、この女性がデンマーク生まれではないことが示されました。衣服に用いられた羊毛の同位体分析からは、羊毛の産地がデンマークではないことが明らかになりました。この女性の出身地としてはドイツ南西部が推測されていますが、その他の地域の可能性も排除されていない、とのことです。

 この女性の頭髪のうち死の4〜6ヶ月前に成長した部分と、指の爪の同位体比の分析からは、この女性が死亡直前に遠く離れた場所からエグトベド村へと移動してきたことが明らかになったそうです。さらに、頭髪の分析からは、この女性が陸上の多様な食物を摂取していたことや、タンパク質の摂取量が減少した時期を複数回経験していたことが判明しました。この女性は何度か飢饉を経験したのかもしれません。この女性の移動は、出身地域とエグトベド村周辺の地域との提携を目的とした結婚のためではないか、との見解も提示されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【考古学】青銅器時代の若い女性の生涯

 青銅器時代の身分の高いデンマーク人女性(「エグトベドの少女」)の遺体の詳細な分析が行われ、彼女の移動パターン、食事、衣服の入手先に関する情報が得られた。エグトベドの少女は、現在のデンマークの国外で生まれ、その晩年の2年間は遠い距離を往復していたと考えられている。今週掲載される論文で公表されるこの新知見は、青銅器時代の身分の高いヨーロッパ人の移動に関する手掛かりとなるだろう。

 エグトベドの少女は推定16〜18歳。デンマークのエグトベド村でオーク材の棺から見つかり、埋葬時期は約3,400年前と計算されている。今回、Karin M Freiたちは、保存状態の良好なエグトベドの少女の頭髪、歯、爪と衣服をもとにして、エグトベドの少女の生涯を追跡調査した。歯のエナメル質のストロンチウム同位体比はデンマークの特徴と一致せず、彼女がデンマーク生まれでないことが示された。また、衣服に用いられた羊毛の同位体分析からは、羊毛の産地が現在のデンマークの国外であったことが明らかになった。Freiたちは、エグトベドの少女の出身地とその衣服の原産地が、ドイツ南西部のシュワルツワルト(黒い森)であった可能性を示している。ただし、ヨーロッパの別の地域である可能性は排除されていない。 エグトベドの少女の長さ23センチの頭髪には、少なくとも晩年の23か月間の動きが記録されていた。最も新しい頭髪部分(晩年の4〜6か月間に成長した頭髪)と指の爪の同位体比の特徴からは、エグトベドの少女が死亡直前に遠く離れた場所からエグトベドへ移動したことが示唆されている。また、頭髪の分析をさらに進めたところ、陸上でとれるさまざまな食物を摂取していたことや、タンパク質の摂取量が減少した時期が複数回あったことも判明した。



参考文献:
Frei KM. et al.(2015): Tracing the dynamic life story of a Bronze Age Female. Scientific Reports, 5, 10431.
http://dx.doi.org/10.1038/srep10431

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