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zoom RSS セイロン島における人類の移住史

<<   作成日時 : 2015/07/10 00:00   >>

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 セイロン島における人類の移住史についての研究(Ranaweera et al., 2014)が公表されました。セイロン島は現在では全土がスリランカ民主社会主義共和国の領土となっています。セイロン島の主要な民族は、ヴェッダ人・高地および低地シンハラ人・タミル人(スリランカタミル人およびインドタミル人)です。これら各民族のセイロン島への定住の経緯や相互の近縁関係については、これまでよく分かっていませんでした。この研究は、スリランカの各民族集団を代表する271人について、ミトコンドリアDNAの超可変領域1(HVS-1)全域および超可変領域2(HVS-2)の一部分の遺伝子型決定を行ないました。

 その結果、セイロン島のヴェッダ人以外のすべての民族は互いに比較的近縁であることが判明しました。ヴェッダ人は、セイロン島の他の民族との比較では、インドタミル人よりもシンハラ人およびスリランカタミル人の方に近縁であることが明らかになりました。また、インド人に特徴的なミトコンドリアDNAのクレードや、いくつかの西ユーラシア人のハプログループが、セイロン島の民族集団において発見されました。この研究では、タミル人とシンハラ人はともに、セイロン島の先住集団と考えられているヴェッダ人ではなく、インド亜大陸集団に由来するのではないか、と指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


スリランカ民族のミトコンドリアDNAに刻まれた定住史:セイロン島内およびインド亜大陸の集団との関係

 インド亜大陸最南の沿岸、その沖合にわずかな距離を隔てて位置するセイロン島には、長い年月にわたって、多様な民族集団が居住してきた。主な構成民族は、ヴェッダ人、シンハラ人(高地シンハラ人および低地シンハラ人)、タミル人(スリランカタミル人およびインドタミル人)であるが、各民族のセイロン島への定住の経緯や相互の生物学的関連性については、不明なままである。これまでのところ、ヴェッダ人がおそらく最初の居住者であり、その後、シンハラ人とタミル人がインド本土から渡来したと仮定されている。今回、スリランカの各民族集団を代表する271人について、ミトコンドリアDNA(mtDNA)の超可変領域1(HVS-1)全域、および超可変領域2(HVS-2)の一部分の遺伝子型決定を行ったところ、これらの民族のセイロン島への定着の歴史についての示唆が得られた。まず、系統樹解析、主座標分析、塩基配列の差異分析を行ったところ、セイロン島に居住している、ヴェッダ人以外のすべての民族は互いに比較的近縁であることが判明したが、ヴェッダ人は異質の性質を示した。この知見は、ヴェッダ人の起源が他と異なることを示唆するものである。ハプロタイプ解析および塩基配列解析から、ヴェッダ人のmtDNAの配列が、どちらかというと、インドタミル人よりもシンハラ人およびスリランカタミル人のmtDNAの配列に近縁であることが明らかになった。mtDNAのハプロタイプ解析から、インド人に特徴的なmtDNAのクレードや、いくつかの西ユーラシア人のハプログループが、セイロン島に居住する民族集団において見つかった。さらに、mtDNAのHSV-1および一部のHSV-2について、インド人データベースとの比較を行うことにより、タミル人とシンハラ人のクラスターはともに、セイロン島の先住集団であると考えられているヴェッダ人ではなく、インド亜大陸集団に由来することが判明した。



参考文献:
Ranaweera L. et al.(2014): Mitochondrial DNA history of Sri Lankan ethnic people: their relations within the island and with the Indian subcontinental populations. Journal of Human Genetics, 59, 1, 28–36.
http://dx.doi.org/10.1038/jhg.2013.112

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