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zoom RSS ネアンデルタール人の幼児の中耳アブミ骨

<<   作成日時 : 2015/07/22 00:00   >>

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 取り上げるのが遅れましたが、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の幼児の中耳アブミ骨に関する研究(Gómez-Olivencia et al., 2015)が報道されました。本論文は、フランスのドルドーニュ県(Dordogne)のラフェラシー(La Ferrassie)遺跡で発見された、推定年齢2歳のネアンデルタール人の幼児の骨「ラフェラシー8(La Ferrassie 8)」を取り上げています。ラフェラシーはネアンデルタール人の骨が発見されていることで有名な遺跡で、20世紀を通じて発掘が行なわれました。

 ラフェラシー8は1968〜1973年の発掘で発見され、これまでにもその研究成果が刊行されてきました。本論文は、ラフェラシー遺跡で発見された人骨群のなかで、頭蓋・顎・脊椎・肋骨・指骨などラフェラシー8に属する骨47個を特定し、改めてラフェラシー8を解剖学的に評価しています。本論文がとくに注目したのは、ほぼ完全な左側頭骨にある完全な中耳アブミ骨で、これがネアンデルタール人の特徴と一致するとともに、現生人類(Homo sapiens)のそれとはっきりと異なることが明らかにされています。

 ただ、上記報道でも指摘されているように、ネアンデルタール人と現生人類との間のこのような中耳アブミ骨の違いが、ネアンデルタール人の聴覚とどう関係しているのかということについては、まだ明らかではありません。新たな人骨・遺物の発見も重要ですが、上記報道にもあるように、この研究からは、以前の発掘および既知の資料を見直す必要性が改めて強調されるべきなのでしょう。そうした見直しにより、ネアンデルタール人の特徴についてじょじょに明らかになっていくだろう、と期待されます。


参考文献:
Gómez-Olivencia A, Crevecoeur I, and Balzeau A.(2015): La Ferrassie 8 Neandertal child reloaded: New remains and re-assessment of the original collection. Journal of Human Evolution, 82, 107–126.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2015.02.008

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