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zoom RSS シーラカンスの肺

<<   作成日時 : 2015/09/19 00:00   >>

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 これは9月19日分の記事として掲載しておきます。シーラカンスの肺に関する研究(Cupello et al., 2015)が公表されました。シーラカンスの化石種には、浅い海への適応と考えられている特有の「石灰化した肺」がありますが、現生種(Latimeria chalumnae)にはそれがなく、現生種の解剖学的構造に化石種の名残があるのか否か、まだ確認されていませんでした。この研究は、X線断層撮影法という画像化技術を用い、シーラカンスの現生種の肺の五つの発生段階を三次元的に再構成しました。その結果、現生種の初期胚には正常に機能する可能性のある十分に発達した肺があるものの、その成長が後期胚期→幼若期→成体期になって相当に鈍化し、機能しない器官(痕跡器官)と化すことが確認されました。

 また、退化した肺の周囲に弾力性のある小さな板状組織が散在していることも報告されており、これがシーラカンスの化石種の「石灰化した肺」に匹敵するものだ、との見解が提示されています。この板状組織は、鰓呼吸をする現生種の役には立ちませんが、化石種においては肺容量の調節に何らかの役割を果たしており、シーラカンスが深海環境に適応するにつれ、その機能が失われていった、と考えられています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【動物学】生きているシーラカンスとシーラカンスの化石から肺が見つかった

 かつて絶滅種と考えられていた深海魚の一種であるシーラカンスに関して、このほど、生きたシーラカンスが肺を持っていることが確認された。この肺は、もはや機能していないと考えられているが、シーラカンスの太古の近縁種が約4億1000万年前にどのように生きていたのかという点を解明する手掛かりとなる。この研究成果についての報告が、今週掲載される。

 肉鰭類の大型魚であるシーラカンスは、絶滅種と考えられていたが、1938年に南アフリカ沖でLatimeria chalumnaeが発見され、「生きている化石」の地位を得た。Latimeria種は、化石種と異なり、浅い海への適応と考えられている特有の「石灰化した肺」を持っておらず、現生種のシーラカンスの解剖学的構造に化石種の名残があるのかどうかは、現在まで解明されていない。

 今回、Paulo Britoたちは、X線断層撮影法という画像化技術を用いて、シーラカンスの現生種L. chalumnaeの肺の5つの発生段階を三次元的に再構成した。その結果、L. chalumnaeの初期胚には、正常に機能する可能性のある十分に発達した肺があるが、その成長が後期胚期、幼若期、成体期になって相当に鈍化して、機能しない器官(痕跡器官)と化すことが確認された。

 また、Britoたちは、Latimeria種の成体標本において、退化した肺の周囲に弾力性のある小さな板状組織が散在していることを報告しており、これがシーラカンスの化石種の「石灰化した肺」に匹敵するものだという見解を示している。この板状組織は、鰓呼吸をする現生種の役には立たないが、化石種においては肺容量の調節に何らかの役割を果たしており、シーラカンスが深海環境に適応するにつれ、その機能が失われていったと考えられている。



参考文献:
Cupello C. et al.(2015): Allometric growth in the extant coelacanth lung during ontogenetic development. Nature Communications, 6, 8222.
http://dx.doi.org/10.1038/ncomms9222

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