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zoom RSS モンゴル軍のハンガリーからの撤退と気候変動の関係

<<   作成日時 : 2016/06/01 05:36   >>

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 モンゴル軍のハンガリーからの撤退と気候変動の関係についての研究(Büntgen, and Cosmo., 2016)が公表されました。1242年初頭、モンゴル軍はドナウ川を渡ってハンガリー西部に侵攻しましたが、その2ヶ月後に突然撤退し始め、セルビアとブルガリアを経由する南経路でロシアに戻りました。この理由について議論が続いてきましたが、この研究は、気候変動との関係を指摘しています。この研究は、木の年輪データおよび気候に関する情報を含む文献を用いて、1230〜1250年の環境条件を調べました。

 その結果、1241〜1242年にハンガリーで発生した気候変動が、土地の生産力だけではなく、モンゴル人の軍事行動にとっての地形適性に影響を及ぼした、という見解が提示されています。小規模な気候変動によってハンガリー平原全体が湿地帯のような地形となり、牧草地が減り移動しにくくなって、モンゴルの騎馬隊の軍事的有効性も損なわれてしまったことが、モンゴル軍のハンガリーからの撤退の要因になったのではないか、というわけです。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【環境社会科学】モンゴル軍の撤退につながった気象条件の変化

 1242年にモンゴル陸軍がハンガリーから突然撤退したのは、環境要因の影響によるものだった可能性があるとした新規論文が掲載される。

 モンゴルが版図拡張を始めたのは13世紀初頭のことで、1279年までにユーラシアのかなりの部分(中国、中央アジア、ロシア、イランを含む)を征服した。1242年の初頭にモンゴル軍はドナウ川を渡ってハンガリー西部に侵攻したが、その2か月後に突然撤退し始め、セルビアとブルガリアを経由する南ルートでロシアに戻っている。モンゴルの文献にこの撤退を説明する理由は記されていない。

 今回、Ulf BuntgenとNicola Di Cosmoは、木の年輪データと気象条件の変動と気候に関する情報を含む文献を使って、1230〜1250年の環境条件を調べた。この研究で、Buntgenたちは、1241〜1242年にハンガリーで発生した気候条件が、土地の生産力だけでなく、モンゴル人が行った軍事行動にとっての地形の適性に影響を及ぼしたという考えを示している。そして、Buntgenたちは、小規模な気候の変動によってハンガリー平原全体が湿地帯のような地形となり、牧草地が減り、移動しにくくなっただけでなく、モンゴルの騎馬隊の軍事的有効性も損なわれてしまったと主張している。つまり、1241〜1242年以降の気候の変化は、モンゴル軍がハンガリーに侵攻した当初の条件を変えるに十分な規模のものであり、撤退の一因になった可能性があるというのだ。



参考文献:
Büntgen U, and Cosmo ND.(2016): Climatic and environmental aspects of the Mongol withdrawal from Hungary in 1242 CE. Scientific Reports, 6, 25606.
http://dx.doi.org/10.1038/srep25606

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