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zoom RSS 体色の変化に関連する遺伝子

<<   作成日時 : 2016/06/17 00:00   >>

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 これは6月17日分の記事として掲載しておきます。体色の変化に関連する遺伝子についての二つの研究が公表されました。オオシモフリエダシャク(Biston betularia)の体色が黒っぽくなる「工業暗化」と呼ばれる現象は、進行中の生物進化の例として知られています。暗色型(carbonaria)変異体の遺伝学的背景はいまだに明らかになっていませんが、これまでの研究で、この現象に関わる遺伝子の位置が13個の遺伝子を含む約400キロ塩基の領域内にある、というところまでは特定されていました。今回公表された一方の研究(van’t Hof et al., 2016)は、暗化を引き起こした事象が、cortexと呼ばれる遺伝子の第1イントロンへのクラスII転位因子の挿入であることを明らかにしました。統計的推論から、この多型が出現したのは産業革命の最中である1819年前後であると明らかになりました。

 もう一方の研究(Nadeau et al., 2016)は、ドクチョウ属(Heliconius)のチョウの色素沈着パターン形成にもcortex遺伝子の発現が関与していることを明らかにしました。そのため、cortex遺伝子は体色を左右する鱗粉細胞の発生速度の制御にも使われているのではないか、と推測されています。これら二つの研究結果から、cortex遺伝子は、色や紋様の変動に自然選択が働く際の主要な標的として、鱗翅類で広く保存されているのではないか、と指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


進化遺伝学:英国のオオシモフリエダシャクの工業暗化をもたらした変異は転位因子の挿入だった

進化遺伝学:チョウおよびガの擬態や隠蔽を制御するcortex遺伝子

進化遺伝学:鱗翅類の外見に関わるcortex遺伝子

 オオシモフリエダシャク(Biston betularia)の体色が黒っぽくなる「工業暗化」と呼ばれる現象は、進行中の生物進化の例として教科書でも紹介されている。しかし、暗色型(carbonaria)変異体の遺伝学的背景はいまだに明らかになっていない。I Saccheriたちは、これまでの研究で、この現象に関わる遺伝子の位置が、13個の遺伝子を含む約400キロ塩基の領域内にあるというところまで特定していた。彼らは今回、これに基づいて、暗化を引き起こした事象が、cortexと呼ばれる遺伝子の第1イントロンへのクラスII転位因子の挿入であることを突き止めた。統計的推論から、この多型が出現したのは産業革命の真っただ中の1819年前後であることが分かった。これとは別にN Nadeauたちは、ドクチョウ属(Heliconius)のチョウの色素沈着パターン形成にもcortex遺伝子の発現が関与していることを報告している。どうやら、この遺伝子は、体色を左右する鱗粉細胞の発生速度の制御にも使われているようである。これら2つの研究結果を総合すると、cortex遺伝子は、色や紋様の変動に自然選択が働く際の主要な標的として、鱗翅類で広く保存されていると考えられる。



参考文献:
Nadeau NJ. et al.(2016): The gene cortex controls mimicry and crypsis in butterflies and moths. Nature, 534, 7605, 106–110.
http://dx.doi.org/10.1038/nature17961

van’t Hof AE. et al.(2016): The industrial melanism mutation in British peppered moths is a transposable element. Nature, 534, 7605, 102–105.
http://dx.doi.org/10.1038/nature17951

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