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zoom RSS 統合失調症の起源

<<   作成日時 : 2016/08/17 00:35   >>

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 統合失調症の起源に関する研究(Srinivasan et al., 2016)が報道されました。統合失調症は人間の適応度を下げるにも関わらず、現在でも全人口の1%ほどは生涯で統合失調症を患う可能性が指摘されています。統合失調症(の要因となる遺伝子)が人類の進化においていつ出現し、なぜ淘汰されなかったのか、議論が続いています。有力な仮説は、統合失調症は言語・創造的思考・認知能力の副産物である、というものです。

 この研究は、統合失調症と関連したゲノム規模の研究データと、身体的特徴や疾患に関わる表現型などの遺伝的データを分析し、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の遺伝的情報とも比較することにより、統合失調症の遺伝的背景を検証しています。その結果、統合失調症と関連した遺伝子座は、ネアンデルタール人由来の割合が低く、正の選択を受けたと思われるゲノム領域(認知過程と関連すると思われる遺伝子座が複数存在します)において、顕著に高い割合で存在することが明らかになりました。

 こうした結果から、統合失調症は言語・創造的思考・認知能力の副産物であり、ネアンデルタール人の系統と現生人類(Homo sapiens)の系統が分岐した後に現生人類の系統で出現した、という仮説がこの研究では支持されています。現生人類の系統における「高度な」言語・創造的思考・認知能力の発達は、現生人類の適応度・競争力を向上させ、統合失調症はその「副産物」だったのではないか、というわけです。このようなトレードオフの事例は、人間に限らず生物の進化において珍しくなかったのでしょう。


参考文献:
Srinivasan S. et al.(2016): Genetic Markers of Human Evolution Are Enriched in Schizophrenia. Biological Psychiatry, 80, 4, 284–292.
http://dx.doi.org/10.1016/j.biopsych.2015.10.009

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