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zoom RSS ルーシーの死因(追記有)

<<   作成日時 : 2016/08/31 00:00   >>

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 これは8月31日分の記事として掲載しておきます。有名な人類化石「ルーシー(Lucy)」の死因に関する研究(Kappelman et al., 2016)が報道されました。朝日新聞でも報道されています。この研究はオンライン版での先行公開となります。ルーシー(AL 288-1)はエチオピアで1974年に発見された318万年前頃の人類化石で、アウストラロピテクス属のアファレンシス(Australopithecus afarensis)に分類されています。300万年以上前の化石にも関わらず、保存状態が良好だったため、発見当初から大きな注目を集めてきました。

 この研究は、ルーシーの骨格のCTスキャンから、ルーシーの右上腕骨が通常では見られないくらい鋭く折れていることを明らかにしています。これは衝撃の瞬間に受け身を取るため両腕を伸ばしたことを示しているのではないか、と推測されています。足首・膝・骨盤・肋骨にも骨折の痕跡が見られ、治癒した痕跡がないことから、この骨折が原因でルーシーは死んだのではないか、と考えられています。また、内臓も重度の損傷を受けたのではないか、と推測されています。

 この研究は、ルーシーの骨格に見られる損傷の特徴から、かなりの高さ(12m以上)からの落下であり、ルーシーは高い木から落下したのではないか、と推測しています。ルーシーはその形態から直立二足歩行を上手く行なっていたものの、樹上生活にも適応していたのではないか、と考えられています。そのため、この研究により、アファレンシスが地上での直立二足歩行だけではなく、樹上生活にも適応していたことが改めて確認された、と指摘されています。もっとも、高さ12m以上からの落下となると、崖もしくは小高い丘からだったのではないか、とも考えられますが。


参考文献:
Kappelman J. et al.(2016): Perimortem fractures in Lucy suggest mortality from fall out of tall tree. Nature, 537, 7621, 503–507.
http://dx.doi.org/10.1038/nature19332


追記(2016年9月22日)
 ナショナルジオグラフィックで報道されました。また、論文が『ネイチャー』本誌に掲載されたので、以下に『ネイチャー』の日本語サイトから引用します。



古生物学:ルーシーに見られる死戦期の骨折は高木からの落下による死を示唆する

古生物学:猿人「ルーシー」は墜落死した?ブックマーク

 「ルーシー」は、絶滅ヒト族であるアウストラロピテクス・アファレンシス(アファール猿人)の有名な部分骨格標本である。彼女は、300万年余り前に現在のエチオピアに当たる地域で生活していた。今回J Kappelmanたちは、ルーシーの骨を新たに分析してその死因を絞り込んだ。その結果、高木からの落下で負った怪我が命取りになったことが示唆された。アファール猿人は、二足歩行する能力がありながら、木登りも得意であったと長年考えられてきた。しかし、そうした適応には他の諸リスクが伴い、それでルーシーの命運が尽きてしまったのかもしれない。

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アファレンシスの樹上生活への適応
 エチオピアで1974年に発見された有名な人類化石「ルーシー(Lucy)」の四肢骨を分析し、現代人やチンパンジーと比較した研究(Ruff et al., 2016)が報道されました。ルーシー(A.L. 288-1)はアウストラロピテクス属のアファレンシス(Australopithecus afarensis)に分類されており、その年代は318万年前頃と推定されています。アファレンシスの歩行形態が地上での直立二足歩行だったことは確実と考えられているものの、樹上生活にどれだけ適応していたのか、... ...続きを見る
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2016/12/02 00:00

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