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zoom RSS 不正を続けると不正への脳の感受性が低下する

<<   作成日時 : 2017/02/16 00:00   >>

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 不正直な行動と脳の感受性に関する研究(Garrett et al., 2016)が公表されました。この研究は、18〜65歳の80人に参加してもらい、第1被験者に1ペンス銅貨入りのガラス瓶の画像を見せて銅貨の数を見積もらせ、その数を第2被験者に伝えさせる、という実験を行ないました。この研究は、(1)第2被験者が不利益を受けて第1被験者が利益を得る、(2)第1被験者も第2被験者も利益を得る、(3)第1被験者が不利益を受けて第2被験者が利益を得る、(4)第1被験者だけが利益を得て、第2被験者は影響を受けない、(5)第2被験者だけが利益を得て、第1被験者は影響を受けないというように、ガラス瓶の中身に関して不正直になることが誰の利益になるのかという観点から条件を変えていきました。

 その結果、検査を数回続けると、第1被験者が利益を得る条件(第2被験者が不利益を受ける場合と第2被験者も利益を得る場合)では、第1被験者が不利益を受けて第2被験者が利益を得る場合と比較して、第1被験者の不正直が増大していました。さらに、不正直の測定レベルと不正直の測定レベルの増大幅は、第1被験者だけが利益を受ける場合の方が第2被験者だけが利益を受ける場合より大きくなっており、こうした結果が私利私欲によるものと示唆されています。

 この研究は、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用い、一部の被験者が一つの条件による実験に参加した時の脳活動を測定しました。これらの被験者の場合、自分の利益になる不正直に対する脳の右半球と左半球の両方の扁桃体(感情を誘発する事象に対して感受性を持つ脳領域)の応答が時間の経過に伴って次第に低下していきましたが、自分が不利益を受ける不正直ではそのようなことがありませんでした。

 特定の検査において自分の利益になる不正直に対する被験者の扁桃体の応答が低下することは、その被験者について、その後の検査で自分の利益になる不正直が増大する量を予測する際に利用できる可能性がある、と指摘されています。この研究で得られた知見は、詐術のいろいろな側面と関連している他の脳領域が原因になっているとは考えられず、自分の利益になる不正直において扁桃体が特権的な役割を果たしていることが示唆されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


脳が不正直に適応して不正直の程度が次第に増していく

 自分の利益になる不正直な行動を繰り返すと不正直に対する脳の感受性が低下することを報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。今回、管理された実験条件下で不正直の増大を誘導して、測定する研究が行われ、正直からの少しの逸脱が繰り返されるうちに逸脱が雪だるま式に大きくなり、かなりの程度の不正直になってしまう“slippery slope(転落への坂道)”が生物学的に説明されている。

 今回、Neil Garrett、Tali Sharotの研究チームが行った実験には80人の成人(18〜65歳)が参加し、第1被験者に1ペンス銅貨入りのガラス瓶の画像を見せ、銅貨の数を見積もらせ、その数を第2被験者に伝えさせた。Garrettたちは、 (1)第2被験者が不利益を受けて第1被験者が利益を得る、(2) 第1被験者も第2被験者も利益を得る、(3) 第1被験者が不利益を受けて第2被験者が利益を得る、(4) 第1被験者だけが利益を得て、第2被験者は影響を受けない、(5) 第2被験者だけが利益を得て、第1被験者は影響を受けないというようにガラス瓶の中身に関して不正直になることが誰の利益になるのかという観点から条件を変えながら実験を行った。

 検査を数回続けると、第1被験者が利益を得る条件(第2被験者が不利益を受ける場合と第2被験者も利益を得る場合)では、第1被験者が不利益を受けて第2被験者が利益を得る場合と比べて第1被験者の不正直が増大していた。さらに不正直の測定レベルと不正直の測定レベルの増大幅は、第1被験者だけが利益を受ける場合の方が第2被験者だけが利益を受ける場合より大きくなっており、以上の結果が私利私欲によるものということが示唆されている。

 今回の研究では、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、一部の被験者が1つの条件による実験に参加した時に脳活動の測定が行われた。これらの被験者の場合、自分の利益になる不正直に対する脳の右半球と左半球の両方の扁桃体(感情を誘発する事象に対して感受性を持つ脳領域)の応答が時間の経過に伴って次第に低下していったが、自分が不利益を受ける不正直ではそのようなことがなかった。特定の検査において自分の利益になる不正直に対する被験者の扁桃体の応答が低下することは、その被験者について、その後の検査で自分の利益になる不正直が増大する量を予測する際に利用できる可能性がある。以上の知見は、詐術のいろいろな側面と関連している他の脳領域が原因になっているとは考えられず、自分の利益になる不正直において扁桃体が特権的な役割を果たしていることが示唆されている。



参考文献:
Garrett N. et al.(2016): The brain adapts to dishonesty. Nature Neuroscience, 19, 12, 1727–1732.
http://dx.doi.org/10.1038/nn.4426

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