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zoom RSS デニソワ洞窟で確認された新たなネアンデルタール人の骨

<<   作成日時 : 2017/04/26 00:00   >>

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 これは4月26日分の記事として掲載しておきます。取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、南西シベリアのアルタイ山脈のデニソワ洞窟(Denisova Cave)で確認された新たなネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の骨に関する研究(Brown et al., 2016)が報道されました。デニソワ洞窟では、出土人骨のDNA解析から、ネアンデルタール人や種区分未定のデニソワ人(Denisovan)の存在が確認されており、高い網羅率の更新世人類のゲノム配列も得られています(関連記事)。デニソワ洞窟では小さく断片的な骨が2000個以上発見されており、その多くは形態からの種の同定が難しいため、研究の進展の妨げになっています。

 この研究は、DNAやペプチドの特異的配列パターンから物質を同定するコラーゲンフィンガープリント法を用いて、これら小さく断片的な骨の種を同定しています。骨に含まれるコラーゲンのペプチド配列が動物種間でわずかに異なることを利用し、既知の基準配列と比較して種を同定する、というわけです。デニソワ洞窟では、マンモスやケブカサイやオオカミやトナカイなど人間以外の動物種も多く確認されていますが、この研究が注目したのは、分析の結果人間のものだと判明した、重量1.68g・長さ24.7mm・幅8.89mの骨(DC1227)です。DC1227はとくに目立たず、見過ごされそうだった、とのことです。

 DC1227の同位体分析からは、淡水魚のような高タンパク質の動物を食べていた可能性が指摘されています。また、DC1227の表面の孔食と腐食から、DC1227は肉食獣、おそらくはハイエナの胃を短時間通過した可能性が指摘されています。死後にハイエナに発見されて食べられたのか、生存時に襲われて食べられたのか、気になるところです。DC1227は放射性炭素年代測定で5万年以上前と推定されており、地質学的な推定と合致します。DC1227はデニソワ11(Denisova 11)と呼ばれています。

 デニソワ11のmtDNA(ミトコンドリアDNA)解析の結果、デニソワ11はネアンデルタール人の変異内に収まりました。ネアンデルタール人の他個体との比較では、同じアルタイ地域のオクラドニコフ2(Okladnikov 2)とは近いものの、デニソワ洞窟のネアンデルタール人とはやや離れた関係でした。この研究は、これまで見過ごされてきたかもしれない小さく断片的な人骨の同定を可能とし、人類進化の研究に大きく貢献しそうだということで、ひじょうに注目されます。すでにデニソワ洞窟の人骨からは高い網羅率の更新世人類のゲノム配列が得られていますが、他の寒冷な地域で発見された断片的な骨に関しても期待できそうなので、その意味でもこの研究は注目されます。


参考文献:
Brown S. et al.(2016): Identification of a new hominin bone from Denisova Cave, Siberia using collagen fingerprinting and mitochondrial DNA analysis. Scientific Reports, 6, 23559.
http://dx.doi.org/10.1038/srep23559

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