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zoom RSS 堆積物で確認された更新世人類のDNA

<<   作成日時 : 2017/04/29 00:00   >>

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 これは4月29日分の記事として掲載しておきます。堆積物から更新世人類のDNAを解析した研究(Slon et al., 2017)が報道されました。『ネイチャー』のサイト には解説記事が掲載されています。この研究はオンライン版での先行公開となります。この研究は、ベルギー・クロアチア・フランス・ロシア・スペインというユーラシアの広範な地域の55万〜14000年前頃の9ヶ所の遺跡を対象とした堆積物の調査の結果、5ヶ所の遺跡において現生人類(Homo sapiens)ではない更新世人類のミトコンドリアDNA(mtDNA)を解析することに成功しました。現代のDNAとの区別のために、古代DNAに典型的な化学的損傷をともなう短い配列のみが解析された、とのことです。また、人類だけではなく、ケブカサイやハイエナやマンモスなど他の動物のmtDNAも確認されました。

 具体的には、4ヶ所の遺跡の堆積物からの8標本で、1人もしくは複数人のネアンデルタール人のmtDNAが確認されました。デニソワ洞窟では中期更新世の層においてデニソワ人のmtDNAが確認されました。これらの中には、人類遺骸が発見されていない層からのものも含まれているので、更新世の人類遺骸が少ないことを考えると、堆積物のDNA解析が今後たいへん有望な分野になるのではないか、と期待されています。また、室温で何年も保存された堆積物からもDNAが検出されたので、この点でもこの分野の発展が期待されます。とくに、海洋の温度はDNAの保存に適しているので、海洋堆積物のDNA解析が大いに期待されています。これにより、アメリカ大陸への人類の移住の詳細な経路を解明する手がかりになるかもしれない、と指摘されています。

 これら堆積物からのDNAの由来については、体液・排泄物・毛髪・骨などが考えられ、はっきりとはしません。また、堆積物の古代DNAに関しては、水の作用などにより、本来の年代よりずっと古い層に移動することがあるので、年代の推定は難しくなっていることが指摘されています。デニソワ洞窟では、まだデニソワ人の遺骸が発見されていない中期更新世の層においてデニソワ人のmtDNAが確認されており、大いに注目されますが、このデニソワ人のmtDNAが本当に中期更新世のデニソワ人に由来するのか、確定したとは言い難いようです。


参考文献:
Slon V. et al.(2017): Neandertal and Denisovan DNA from Pleistocene sediments. Science, 356, 6338, 605-608.
http://dx.doi.org/10.1126/science.aam9695

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