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zoom RSS アファレンシスの脊椎骨

<<   作成日時 : 2017/05/28 00:00   >>

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 これは5月28日分の記事として掲載しておきます。330万年前頃の人類の脊椎骨に関する研究(Ward et al., 2017)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。エチオピアのディキカ(Dikika)では330万年前頃の人類の幼児の部分的骨格が発見されており(関連記事)、アウストラロピテクス属のアファレンシス(Australopithecus afarensis)に分類されています。この幼児化石(DIK-1-1)は、エチオピアの公用語であるアムハラ語で「平和」を意味するセラム(Selam)と呼ばれています。また、ディキカでは、石器が用いられた痕跡のある大型有蹄類の骨が発見されており、年代は340万年前頃と(関連記事)と推定されています。

 セラムには頸椎と腰椎の全痕跡が確認されており、6万年以上前の人類では唯一の事例となります。新たな分析の結果、セラムには現代人と同じく頸椎7個と胸椎12個が確認され、現生種では現代人と最近縁のチンパンジー(胸椎は13個)とは異なります。一方で、セラムの胸椎から腰椎への移行パターンは、アウストラロピテクス属ではアフリカヌス(Australopithecus africanus)やセディバ(Australopithecus sediba)、ホモ属ではエレクトス(Homo erectus)といった前期更新世以前の人類の部分的骨格で確認されていたように、現生類人猿や現代人と異なる特徴を示しています。

 現代人は他の現生霊長類とは異なり、直立二足歩行に特化しています。その解剖学的基盤は脊椎骨にも見られますが、確実に直立二足歩行だったと考えられる前期更新世以前の人類には、上述したように現代人とは異なる胸椎から腰椎への移行パターンが見られました。これはセラムでも見られた一方で、その胸椎の数は現生霊長類とは異なり、現代人と同じです。直立二足歩行に特化した解剖学的構造はじょじょに形成されたのでしょうが、現生類人猿とは異なる一方で、現代人との類似点と相違点の両方がすでに330万年前頃に確認されることを示したという点で、この研究は注目されます。


参考文献:
Ward CV. et al.(2017): Thoracic vertebral count and thoracolumbar transition in Australopithecus afarensis. PNAS, 114, 23, 6000–6004.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1702229114

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アファレンシスの幼児の足
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2018/07/05 16:50

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