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zoom RSS 絶滅人類の歩行の効率性

<<   作成日時 : 2017/12/18 00:00   >>

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 これは12月18日分の記事として掲載しておきます。絶滅人類の歩行の効率性に関する研究(Vidal-Cordas et al., 2017)が報道されました。この研究は、現代人の男女46人を被験者として、骨格・体重・歩行運動のエネルギーコストのデータを得て、絶滅したアウストラロピテクス属やホモ属各種の歩行運動のエネルギーコストを推定し、その効率性を評価しました。この研究が計測対象とした骨格は、骨盤の幅と大腿骨の長さ(下肢の長さ)です。これがどのように歩行運動のエネルギーコストに影響を及ぼすのか、検証されました。

 その結果、骨盤の幅と大腿骨の長さは、歩行運動のエネルギーコストという点で、類似した影響を及ぼすことが示されました。これに体重のデータを統合して歩行運動のエネルギーコストを推定して歩行運動の効率性を評価すると、最初期の真のホモ属とも言えるエルガスター(Homo ergaster)も含めて絶滅ホモ属は、アウストラロピテクス属よりも効率的ではないものの、現代人とは同程度に効率的だった、という結果が得られました。

 人類進化史において、ホモ属の出現により体格と脳容量が増大し、体重も増加したことが明らかになっています。ホモ属はアウストラロピテクス属よりも華奢となり、現代人は絶滅ホモ属よりもさらに華奢となっており、下肢がより長くなったことからも、そうした点では歩行運動におけるエネルギー効率が向上したと考えられます。しかし、ホモ属においてはアウストラロピテクス属との比較で、体重の増加と各器官の増大により、その分だけ歩行運動のさいに必要なエネルギー量が増加しています。アウストラロピテクス属からホモ属への進化において、骨盤や大腿骨の変化は、増大する体格に起因するエネルギーコストの上昇を相殺するのにじゅうぶんではなかった、というわけです。



参考文献:
Vidal-Cordas M. et al.(2017): Energetic cost of walking in fossil hominins. American Journal of Physical Anthropology, 164, 3, 609–622.
http://dx.doi.org/10.1002/ajpa.23301

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