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zoom RSS 10万年以上前のアメリカ大陸における人類の痕跡との見解への批判

<<   作成日時 : 2018/02/15 00:00   >>

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 これは2月15日分の記事として掲載しておきます。昨年(2017年)、北アメリカ大陸南西部で10万年以上前の人類の痕跡が確認された、との見解が提示されましたが(関連記事)、それにたいするさまざまな批判について報道されました。10万年以上前の人類の痕跡との見解は、アメリカ合衆国カリフォルニア州南部のサンディエゴ市近郊のセルティマストドン(Cerutti Mastodon)遺跡で発見された、単一のマストドン(Mammut americanum)の断片的な遺骸に基づいています。

 このマストドン遺骸には打撃の痕跡が見られ、使用による摩耗と衝撃の痕跡を示す5個の巨大な丸石(叩き石と台石)がマストドン遺骸の側にあり、マストドンの遺骸を囲む沈泥層から受ける破損の影響は小さいだろう、と推測されています。そのため、このマストドン遺骸の破損は、手先が器用で経験的知識のある人類が、マストドンの肢骨を骨髄抽出および(もしくは)道具生産のために破損させたのではないか、と推測されました。このマストドン遺骸の破損パターンは、アフリカ・ユーラシア・北アメリカの旧石器時代の人為的パターン内に収まる、とも指摘されています。

 論議を呼んだのは、セルティマストドン遺跡で発見されたマストドン遺骸の年代が、光刺激ルミネッセンス年代測定法では6万〜7万年前以上、ウラン-トリウム法では130700±9400年前と推定されたことです。これは、広く認められているアメリカ大陸への人類の最初の移住年代を10万年以上さかのぼりますし、(広義の)シベリア北東部における10万年以上前の人類の痕跡といった、有力な間接的証拠もありません。そのため、この見解には多くの疑問が寄せられています。

 この報道で取り上げられたのは、セルティマストドン遺跡のマストドン遺骸の損傷は、人類ではなく現代の建設機械によるものではないか、との批判です。また、セルティマストドン遺跡のマストドン遺骸の損傷と自然な摩耗や裂傷との類似性も指摘されています。この批判の証拠として、アメリカ合衆国テキサス州ウェーコ市にある、人類の痕跡の確認されていない場所で発見された、6万年前頃の少なくとも26個体分のマンモス遺骸のいくつかに見られる、同様の損傷が挙げられています。これらのマンモス遺骸のいくつかが発見された期間は建設工事中で、現代の建設機械と自然作用がセルティマストドン遺跡のマストドン遺骸と同様の損傷をマンモス遺骸に残した可能性がある、と指摘されています。ただ、建設機械による骨への損傷に関してはよく分かっておらず、単純に遺跡を比較することは適切ではなく、さらなる検証の必要性が提言されています。

 アメリカ大陸への人類の拡散が10万年以上前までさかのぼる、との見解はあまりにも異例で孤立しており、これが有力説と認められるには、セルティマストドン遺跡だけではなく、北アメリカ大陸やシベリア北東部で10万年以上前の人類の痕跡が複数確認されねばなりません。もちろん、今後そうした痕跡が確認される可能性はあるわけですが、かなり見込みが低いのではないか、と思います。セルティマストドン「遺跡」は、20年後には忘れられている運命にあるのではないか、と私は予想しています。

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