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zoom RSS 中国の東西で被子植物の進化史が異なっている

<<   作成日時 : 2018/02/16 17:53   >>

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 予備として書き溜めておいた記事がかなりの本数になってしまったので、今後何回かにわけて、ある程度まとめて掲載していくことにします。中国の東西での被子植物の進化史の違いに関する研究(Lu et al., 2018)が公表されました。中国では全世界の被子植物種の10%近くが生育しており、起源の古い植物種にとっての隠れ家・博物館であると同時に、最近の地形変化や気候変化(青海チベット高原の形成やモンスーンの発達など)により新たな生息地が生じ、顕著な放散が促進されたことにより多くの系統が発生したために揺り籠でもある、と長く考えられてきました。しかし、中国の被子植物相の主要な構成要素が集合して現在の植生になった時期と過程を詳しく調べる系統発生学的研究はこれまでありませんでした。

 この研究は、中国の被子植物相の92%に関する年代が明らかな系統発生データ、2万6978種からなるほぼ完全な種レベルの系統樹、詳細な空間分布のデータを用いて、中国の植物相の時空間的な分岐パターンを調べました。その結果、中国の被子植物の属の66%は、その起源が中新世の初期(約2300万年前)以降であると判明しました。

 中国東部(中部と南部の一部の地域を含みます)の植物相には、より古い分岐(平均分岐年代は2539万〜2204万年前頃)、系統発生学的な過大分散(遠縁種の空間的共存)、系統発生学的に高い多様性を示す特徴が見られました。一方、中国西部(乾燥した北西部と青海チベット高原を含みます)の植物相には、より新しい分岐(平均分岐年代は1886万〜1529万年前頃)、顕著な系統発生学的クラスタリング(近縁種の共存)、および系統発生学的に低い多様性が認められました。シミュレーションした枝の長さを用いた種レベルの系統発生学的多様性の分析からは、属レベルのパターンと類似の結果が得られました。

 この分析結果は、草本性の属に関しては、中国東部が植物相の博物館で中国西部が進化の揺り籠なのにたいして、木本性の属に関しては、中国東部が博物館と揺り籠の両方の役割を果たしていることを示しているます。これらの知見は、種が豊富で系統発生学的多様性が高い地域を明らかにするとともに、中国で保全活動を取り組む上での基盤を提供するものだと指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【進化】中国の東部と西部では被子植物の進化史が異なっている

 中国の東部と西部にはそれぞれ独自の進化史を有する被子植物種が生育していることを報告する論文が、今週掲載される。中国東部は起源の古い植物種が数多く存在する植物相の「博物館」であり、中国西部は最近になって分岐した植物種にとっての進化的「揺り籠」と考えられることが、この論文に示されている。

 中国は全世界の被子植物の約10%が生育しており、起源の古い植物種にとっての隠れ家であると同時に、最近進化した植物種が急激に出現するための揺り籠でもあると考えられている。ところが、中国の被子植物相の主要な構成要素が集合して現在の植生になった時期と過程を詳しく調べる研究は行われていなかった。

 今回、Zhi-Duan Chenたちの研究グループは、中国の被子植物相の92%について時空間的な分岐パターンを調べた。その結果、中国の被子植物の属の66%は、その起源が中新世の初期(約230万年前)以降であることが判明した。また、中国東部(中部と南部の一部の地域を含む)には、西部と比べて古い系統の植物種が生育する傾向があり、中国西部(乾燥した北西部と青海チベット高原を含む)には、それよりも最近になって分岐した被子植物種が生育していることが明らかになった。



参考文献:
Lu LM. et al.(2018): Evolutionary history of the angiosperm flora of China. Nature, 554, 7691, 234–238.
http://dx.doi.org/10.1038/nature25485

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