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zoom RSS 「白人」のご都合主義によるネアンデルタール人の評価の好転?

<<   作成日時 : 2018/03/15 00:00   >>

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 これは3月15日分の記事として掲載しておきます。今ではネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)と現生人類(Homo sapiens)との間で交雑があった、との見解が有力となっていますが、たとえば、2007年11月刊行の河合信和『ホモ・サピエンスの誕生』からも窺えるように(関連記事)、かつては交雑否定説が有力でした。とくに、現生人類アフリカ単一起源説でも完全置換説が優勢だった1997〜2010年頃には、交雑否定説がほぼ確定的に扱われていることが多かったように記憶しています。これは、ネアンデルタール人のミトコンドリアDNA(mtDNA)が解析され、現代人の変異幅に収まらないことが最大の要因だと思います。この流れが変わる転機となったのが、2010年5月に公表された『サイエンス』論文(関連記事)です。

 これ以降、非アフリカ系現代人は(ほぼ間違いなく全員)、多少ネアンデルタール人の遺伝的影響を受けていることが明らかになってきたわけですが、どうも、現代日本社会では(日本社会だけではないでしょうが)ネアンデルタール人はヨーロッパの人類との印象が強いためか、ヨーロッパ人というか「白人」がネアンデルタール人の遺伝的影響を受けている、という認識が一部?で浸透しているように思われます。じっさいには、現代人のゲノムにおいて、ヨーロッパ系現代人よりも東アジア系現代人の方が、平均的にはわずかながらネアンデルタール人由来の領域の割合が高い、と明らかになっています(関連記事)。それはともかく、「白人」がネアンデルタール人の遺伝的影響を受けていると明らかになったため、ネアンデルタール人の評価が上昇している、という認識が一部で見られるように思います。たとえば、あるスレッドでは、以下のような発言があります。

48 :名無しさん@1周年:2016/03/21(月) 20:57:34.80 ID:Tx6rH9yX0.net
おっさん世代は知ってると思うが昔はネアンデルタール人って毛むくじゃらの風貌で描かれていたのだが
もしかして白人にその血が入ってるかも・・・ってなった途端にイケメン補正されて
2005年に遺伝子解析でほぼ確定になってからそれはそれは一気に評価がうなぎのぼり
でもここにきて極東の人たちにも色濃く残ってるってなってまた評価さげられつつある

つくづく思う「この世は未だに白人至上主義」

436 :名無しさん@1周年:2016/03/22(火) 10:27:12.14 ID:DU6dUPOD0.net
>>48
白人のやることはいつも露骨でわかりやすいなw


また、以下のような呟きもあります。

「ネアンデルタール人がヨーロッパ人と混血していた」という事実が明らかになった途端、ネアンデルタール人想像図がイケメン化した現象、僕は忘れません。

 ネアンデルタール人の復元図についてはすべてを把握しているわけではないので、これらの指摘にあるように、ネアンデルタール人と現生人類との交雑説が有力になって以降、「イケメン化」していったのか、判断を保留しておきますが、ネアンデルタール人が「白人(ヨーロッパ人)」に遺伝的影響を及ぼしていると明らかになった途端、ネアンデルタール人の評価が急上昇した、との認識が見られるように思われます。今でも日本社会では「白人」への劣等感が強いということなのか、上記の呟きはかなりの人気を集めているようです。もちろん、リツイートや「いいね」がすべて支持を意味するとは限りませんが。

 確かに、現生人類アフリカ単一起源説でも完全置換説が優勢だった1997〜2010年頃には、ネアンデルタール人の絶滅理由を説明しやすいため、現生人類とネアンデルタール人との違いを強調する傾向が強かったように思われます。しかし、その頃と比較すると近年では、ネアンデルタール人の「復権」・「見直し」傾向が見られるというか、ネアンデルタール人と現生人類の違いの認定に慎重な見解が以前よりも支持を集めているように思われます(関連記事)。

 しかし、これは2010年以降の急激な変化ではありません。ネアンデルタール人「見直し」論者の代表とも言うべきデリコ(Francesco d’Errico)氏やジリャオン(João Zilhão)氏のネアンデルタール人「再評価」論が1990年代から本格的に始まっていたことは、河合信和『ホモ・サピエンスの誕生』で解説されています。もちろん、自分たちはネアンデルタール人の子孫であると明らかになったので、ネアンデルタール人を高く評価したい、と考える「白人」もいるかもしれませんし、近年のネアンデルタール人「見直し」論は、ネアンデルタール人と現生人類との交雑説が有力になったことから少なからず影響を受けているかもしれません。しかし、交雑説が有力になった途端に「白人」の思惑でネアンデルタール人の評価が急上昇した、というような認識は、邪推・稚拙な陰謀論と言うべきだと思います。

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