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zoom RSS 人類進化史における直立二足歩行と木登りの能力との関係

<<   作成日時 : 2018/04/27 00:00   >>

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 これは4月27日分の記事として掲載しておきます。人類進化史における直立二足歩行と木登りの能力との関係についての研究(Kozma et al., 2018)が公表されました。人類は直立二足歩行に特化し、その代償として木登りの能力は低下した(トレードオフ)、との見解は有力です。また、ホモ属出現前の人類の直立二足歩行は現代人よりも効率的ではなく、現代人よりも樹上生活に適応していた、との見解も有力です。しかし、ホモ属出現前に、アウストラロピテクス属でもおそらくはアファレンシス(Australopithecus afarensis)に分類され得る個体の歩行様式は現代人のようだった、との見解も提示されています(関連記事)。

 本論文は、骨盤形状の3D形態測定を、運動力学的な実験的測定と統合し、直立二足歩行と木登りの能力とがトレードオフ(交換)の関係にあるのか、検証しました。比較対象となったのは、現生種では現代人・類人猿・その他の霊長類で、化石類人猿と化石人類も含まれています。化石人類は、アルディピテクス属ではラミダス(Ardipithecus ramidus)、アウストラロピテクス属ではアファレンシスとアフリカヌス(Australopithecus africanus)が比較対象となりました。

 比較分析の結果明らかになったのは、ラミダスは股関節伸展の点では、直立二足歩行のさいに現代人と同様の動作が推測されたものの、一方で木登りのような垂直方向の移動のさいには類人猿のような動作が推測された、ということです。ラミダスの直立二足歩行は、木登りの能力とのトレードオフではなかっただろう、との見解を本論文は提示しています。一方、アウストラロピテクス属においては、より短い座骨から、直立二足歩行がラミダスよりも効率的になった可能性が指摘されています。さらに、アウストラロピテクス属に見られる土踏まずなど後肢の変化が直立二足歩行の効率性をさらに高めた可能性もありますが、本論文は、さらなる検証が必要だと慎重な姿勢を示しています。

 本論文は、足の母指対向性が失われ、後肢の長くなった現代人(というか、ホモ属)も、木登りのさいのエネルギー効率は樹上霊長類と同等だと指摘しています。さらに本論文は、直立二足歩行の効率性を高めるような形態の進化は、木登りの能力と機能的トレードオフの関係にあるのではなく、樹上で費やす時間の減少と、樹幹における安全性を維持する特徴への選択圧の弱化を反映しているのかもしれない、との見解を提示しています。なかなか興味深い見解で、今後の研究の進展が期待されます。


参考文献:
Kozma EE. et al.(2018): Hip extensor mechanics and the evolution of walking and climbing capabilities in humans, apes, and fossil hominins. PNAS, 115, 16, 4134–4149.
https://doi.org/10.1073/pnas.1715120115

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