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zoom RSS DHC会長独占手記「アジアの中でも唯一日本人だけがヨーロッパ人に近い民族だった」

<<   作成日時 : 2018/05/01 18:57   >>

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 𠮷田嘉明DHC会長の手記が「iRONNA」に掲載されました。『ニュース女子』という情報バラエティー番組の沖縄についての報道にたいする放送倫理・番組向上機構(BPO)の審議結果、およびマスコミ・法曹界・官界など現在の日本社会への不満が述べ立てられています。今回は、𠮷田会長の手記のなかでも、当ブログで頻繁に取り上げている人類進化史についての記述を取り上げます。該当箇所を以下に引用します。


 最後に、なぜ私が在日帰化人に危惧しているのか、という話をします。日本人は姿形だけ見ると中国人や韓国人に似ているので、日本人のルーツは朝鮮半島を渡ってきた渡来人だと思われがちです。

 ところが最近、遺伝子の研究により、日本人は彼らとは全く関係のない民族だということが分かってきました。縄文人の遺伝子を解析したら、他のアジア人とはまるで違う人種であったというのです。日本人の祖先は、約2万年前にシベリアから、陸続きだった北海道を経由し、日本列島に広まっていったのです。

 多少は南方や朝鮮半島から来た移民もいたようですが、その数は取るに足らないほどで、圧倒的多数がシベリアから南下してきたようです。アジアの中でも唯一日本人だけがヨーロッパ人に近い民族だったというのです。顔は似ていても、どうして中国人や韓国人とはこうも違うのだろうと思っていたことが、ここへきてやっと氷解しました。

 見えない絶対的な力を仮に「神様」と称すれば、神様の考えていることはただーつ「種族維持本能を生きとし生けるものに与える」ということだと思います。これは犬に例えるなら、コリー犬はコリー犬だし、ブルドックはずっとブルドックです。何百年たっても見分けがつかないような犬にはなりません。

 我々は全くの異人種である韓国人と仲良くすることはあっても、そして多少は移民として受け入れることはあっても、決して大量にこの国に入れてはいけないのです。ましてや、政権やメディアを彼らに牛耳られることは絶対に避けなければなりません。



 最近の遺伝子研究により、日本人は中国人や韓国人とはまったく関係のない民族で、アジアの中でも唯一日本人だけがヨーロッパ人に近い民族だと明らかになった、との認識を𠮷田会長は示しています。Twitterでこの𠮷田会長の手記を知ったのですが、Twitterは情報収集という点で便利なものだと思います。Twitter上で検索した限りでは、𠮷田会長の手記に肯定的な人もかなりの割合(半数近く?)いるようです。もちろん、これはTwitterで情報発信しているアカウント(=人数とは限らないわけですが)のみのことで、じっさいにどの程度支持されているのかは不明ですし、最近の遺伝子研究云々ではなく、「反日」批判が支持されているだけかもしれません。

 とはいえ、私のような影響力が限りなく皆無に近い個人の戯言なら一々取り上げるのは難しいでしょうが、大企業の会長で、『ニュース女子』の制作会社の会長でもある、社会的影響力の高い人物の発言ならば、「本題」ではない最近の遺伝子研究云々の記述についても、やはり報道機関が批判的に取り上げるべきでしょう。その意味で、「衝撃の反論手記」と題した産経新聞の記事は論外だと思います。まあ、産経新聞なので驚きませんが。なお、𠮷田会長の曲解について研究者側にはとくに責任はなく、研究者が取り上げて批判すべきとも思いません。このような曲解の批判は、やはり報道機関の任務でしょう。

 𠮷田会長の認識の元ネタは、まず間違いなく三貫地縄文人のゲノム解析の研究でしょう(関連記事)。しかし、この研究の見解は𠮷田会長の認識とは大きく異なります。まず、三貫地縄文人は「他のアジア人とはまるで違う人種」ではなく、現代のヨーロッパ人やパプア人などとの比較において、現代のユーラシア東部各地域集団と近縁です。この現代の東ユーラシア各地域集団との比較において、三貫地縄文人は最も早く分岐したと推測されています。

 ここで重要なのは「現代の」という点で、確かに三貫地縄文人は現代のユーラシア東部集団の中では他の各地域集団と疎遠な関係にあります。しかし、ユーラシア西部と比較してずっと遅れているユーラシア東部の古代DNA研究が進展するまで断定はできませんが、過去には、三貫地縄文人ともっと遺伝的に類似した集団が存在した可能性は、かなり高いと思います。ただ、三貫地縄文人もそうでしょうが、縄文時代の日本列島の住民は、複数の地域からの移住により形成された可能性が高そうですから、ユーラシア東部のどこかに、(三貫地)縄文人と遺伝的構成がほぼ同じという集団は過去にも存在しなかった可能性が高いでしょう。

 しかし、「現代の」ユーラシア東部各地域集団のいずれよりも、三貫地縄文人とはるかに遺伝的に近縁な集団が将来複数確認される可能性は高く、そうなれば、(三貫地)縄文人の形成過程も今よりもずっと詳しく明らかになるでしょう。もっとも、縄文時代の日本列島の住民とはいっても、地域・時代により遺伝的にかなり多様だった可能性もあると思います。この縄文人の起源についての誤解が、𠮷田会長のでたらめな認識になっています。縄文人はシベリアから陸続きで北海道に到来し、日本列島に拡散していった、と𠮷田会長は認識しています。それ故に、「アジアの中でも唯一日本人だけがヨーロッパ人に近い民族だった」というわけでしょう。

 しかし、三貫地縄文人のゲノム解析の結果明らかになったのは、縄文人については形態学や遺伝学から北方(東北アジア)起源説や南方(東南アジア)起源説が主張されてきたものの、どちらの仮説も支持されない、ということです。現時点では、縄文人がどのように形成されたのか不明で、上述したように、この解明にはユーラシア東部における古代DNA研究の進展が欠かせませんし、そもそも縄文人は時空的に多様だった可能性が高いでしょう。おそらく、縄文人と遺伝的に類似したユーラシア東部の過去の集団は、移住・混合などにより、現在ではその遺伝的構成が失われてしまったのでしょう。おそらく現代のユーラシア東部の各地域集団はそのように形成されたのでしょうが、北東アジアには過去の近隣集団との遺伝的類似性が高いとされる集団も現存します(関連記事)。次に述べるように、日本列島でも移住・混合などにより、縄文人の遺伝的構成は失われてしまった、と推測されます。

 その問題と関連する𠮷田会長の認識では、「多少は南方や朝鮮半島から来た移民もいたよう」ではあるものの、現代日本人は基本的に縄文人の子孫である、と想定されています。三貫地縄文人のゲノム解析結果からは、「本土」日本人(沖縄集団とアイヌ集団以外の日本人)のゲノムにおける縄文人の影響は20%未満だろう、と推定されています。現代日本人は、三貫地縄文人よりも華北(北京)・華南の漢人やベトナム人の方と遺伝的に近縁で、これらの地域の現代人の祖先集団と近縁な集団が、縄文時代末期〜弥生時代以降に日本列島に到来し、やがて日本列島における遺伝的影響力で「縄文人」を圧倒したと考えられます。ただし、だからといって、弥生時代以降の日本列島への移住者が多数だったとは限りませんし、言語をはじめとして縄文時代の(一部地域の?)文化が弥生時代以降の日本列島一定以上の影響力を有した可能性も否定できません(関連記事)。

 なお、当然のことではありますが、三貫地縄文人は「ヨーロッパ人に近い民族だった」わけではなく、上述したように、現代のヨーロッパ人やパプア人などとの比較において、現代のユーラシア東部各地域集団と近縁です。したがって、仮に𠮷田会長が想定するように、現代日本人における「縄文人」の遺伝的影響力が強かったとしても、少なくとも遺伝的知見からは、「アジアの中でも唯一日本人だけがヨーロッパ人に近い民族だった」とは言えません。ここには、現代においても日本社会において根強い「白人」への劣等感が露骨に見えます。もっとも、この点に関しては自省が必要だな、とも痛感していますが。

 そもそも、民族を遺伝的に定義すること自体に問題があるのですが、遺伝的知見なしに、日本とヨーロッパとの近縁性を説く議論は、近代以降の日本において一定以上の影響力を有してきました。日本とヨーロッパのみが封建制を経験した、などといった議論です。近年では、「文明の衝突」という言説において、日本は一国のみで一つの文明圏を構成する、との見解が日本社会の一部?でもてはやされました。しかし、現代においては、もはやヨーロッパ発の「近代」が世界を覆っており、世界は一つの「文明」圏であるとも言えるでしょう。

 もちろん、現代の各地域の様相は異なっており、それは前近代の歴史経験によるところが大ですから、そうした要素を考慮して現代に複数の「文明」圏を想定することは妥当でしょう。少なくとも前近代においては、日本は中華・朝鮮半島・ベトナムとともに「漢字文明」圏に分類されるのが妥当でしょうし、現代においても、日本・中国(の大半?)・朝鮮において儒教・(中華)仏教の影響はまだ根強く残っているでしょうから、これらをまとめて一つの「文明」圏とする想定には、一定以上の説得力があると思います。ただ、自戒の念を込めて言うのですが、「東アジア」なる概念を安易に歴史に適用することに関しては、やはり慎重でなければならないと思います(関連記事)。

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