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zoom RSS 初期人類の多様性と気候の関係

<<   作成日時 : 2018/05/12 07:22   >>

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 初期人類の多様性と気候の関係についての研究(Maxwell et al., 2018)が公表されました。気候が種分化・種の多様性といった人類進化の要因だった、との見解は一般的と言えるでしょう。たとえば、ホモ属出現の背景として、不安定な気候が指摘されています(関連記事)。また、290万〜240万年前頃と、190万〜160万年前頃に気候が大きく変動し、人類の進化にも大きな動きが見られた、との見解も提示されています(関連記事)。

 本論考は、700万〜100万年前頃の、初期人類の多様性と気候との関係を検証しました。現時点での証拠からは、人類進化史における種分化の大きな波は、360万年前頃、270万〜250万年前頃、190万年前頃に見られます。これは気候変動の激しい時期と一致しているように見えます。人類の多様性の増大は、不安定な気候への適応に起因していたのではないか、というわけです。これは、一般的というか根強い見解のように思います。

 しかし、本論文は、こうした人類の多様性の増大が、人類の化石収集数とも相関していることを指摘しています。これまで、「常識的」ということもあり、人類進化と気候変動との関係は自明視されてきた感もありますが、本論文は、人類進化と気候変動とを関連づける前に、人類化石記録の質の大きな改善が必要ではないか、と指摘しています。そのためには、本論文も指摘するように、さらに多くの人類化石を発見する必要があります。

 もっとも、初期人類の化石の新たな発見は容易ではないので、この問題の根本的な解決は難しいのでしょうが、より信頼性の高い推定のためには、ともかく、もっと多くの人類化石が発見されねばならないでしょう。そもそも現時点では、初期人類の多様性とはいっても、種内の多様性なのか、異なる種なのか、判断の難しいところが多分にあります。ただ、初期人類の化石が少ないのは、単に年代が古いからというだけではなく、現生人類(Homo sapiens)やネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)とは異なり、遺骸を埋葬していなかったからでもあると思われるので、初期人類の化石は、今後も僅かずつしか増加していかないのでしょう。


参考文献:
Maxwell SJ. et al.(2018): Sporadic sampling, not climatic forcing, drives observed early hominin diversity. PNAS, 115, 19, 4891–4896.
https://doi.org/10.1073/pnas.1721538115

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