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zoom RSS ハラミヤ類の新種化石

<<   作成日時 : 2018/06/07 17:07   >>

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 初期哺乳類の一分類群であるハラミヤ類の新種化石に関する研究(Huttenlocker et al., 2018)が公表されました。ハラミヤ類は後期三畳紀から少なくとも後期ジュラ紀までの長い期間にわたって繁栄した哺乳形類の単系統群ですが、ユーラシア以外では化石がほとんど発見されておらず、白亜紀の記録については議論となってきました。当ブログではハラミヤ類について、大いに繁栄した後に絶滅した齧歯類様の多丘歯類に近縁だとか(関連記事)、最古の滑空哺乳類だとか(関連記事)、独特の中耳構造だった(関連記事)とかいった研究を取り上げてきました。

 本論文は、これまで存在が確認されていなかった、北アメリカ大陸の最前期白亜紀の大型ハラミヤ類の頭蓋化石について報告します。アメリカ合衆国ユタ州アンドリューズサイト採石場で発見されたこの頭蓋には、ステム群哺乳形類の祖先形質とクラウン群哺乳類の派生形質との混合が見られます。さらにその歯は、多丘歯類に近縁と推定される、分類の曖昧な「Hahnodontidae」科のものとされてきたモロッコの白亜紀の遊離歯に特徴的な形質を示しています。

 この標本は保存状態が極めて良好で、祖先的な哺乳類脳の進化に関する手掛かりも得られました。さらに本論文は、ハラミヤ類の歯とゴンドワナ大陸の分類不明な「hahnodon」類の歯との類似性を実証することで、「hahnodon」類が多丘歯類ではなくハラミヤ類だったことを明らかにしました。「hahnodon」類はジュラ紀から白亜紀への移行期においてより広範に分布し、その分布域はパンゲア超大陸規模であった可能性もあります。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用(引用1および引用2)です。


【化石】年代が最も新しいハラミヤ目の化石が北米で見つかる

 北米で生息していたハラミヤ目(初期哺乳類の分類群の1つ)の白亜紀の完全な頭蓋骨の化石について報告する論文が、今週掲載される。この頭蓋骨化石は、1億3900万年〜1億2400万年前のものと決定され、ハラミヤ目の化石標本としては年代が最も新しく、この動物種がパンゲア超大陸の分裂後に北半球の大陸で存続していたことが示唆されている。

 ハラミヤ目は謎めいた哺乳類分類群で、三畳紀からジュラ紀初期のものが知られている。ハラミヤ目は長い間、歯の化石のみから知られる動物種であったが、後に軟組織を含む全身が完全に保存された化石標本が中国で発見された。ハラミヤ目の一部は滑空哺乳類で、現在のムササビに似ている。ハラミヤ目とその他の哺乳類との関係、すなわち、ハラミヤ目は繁栄した齧歯類類似の多丘歯類の近縁種だったのか、それよりはるかに原始的な哺乳類だったのかについては、これまで盛んに議論されてきた。

 今回Adam Huttenlockerたちの研究グループは、アンドリューズサイト採石場(米国ユタ州)において白亜紀前期層から発見されたハラミヤ目の頭蓋骨化石について報告している。この化石は、ハラミヤ目の新属新種Cifelliodon wahkarmoosuchの根拠になっている。Huttenlockerたちは、ハラミヤ目に関する共通の理解における大きな形態学的・時空間的欠落部分がこの化石標本によって埋まることを明らかにしている。また、この頭蓋骨の分析では、さらに謎深い哺乳類分類群Hahnodontが、一般に理解されていた多丘歯類ではなく、実はハラミヤ目であったことが判明した。


哺乳類進化学:最前期白亜紀の北米とゴンドワナを結び付ける、ステム群哺乳類の生き残り

哺乳類進化学:最初期の哺乳類の系統発生を明らかにする

 ハラミヤ類は、三畳紀およびジュラ紀に存在したことが知られている謎めいた初期哺乳類の一群である。その存在は、中国で軟組織を伴う全身の標本がよく保存された状態で発見されるまで、長年にわたり遊離した歯の化石から知られているのみだった。ハラミヤ類の中には、現生のモモンガやムササビに似た滑空性の種類も存在した。ハラミヤ類と他の哺乳類との類縁関係に関しては、今なお激しい議論が続いている。果たしてハラミヤ類は、成功を収めた齧歯類様の多丘歯類に近縁だったのか、それともそれよりはるかに原始的だったのか。今回A Huttenlockerたちは、北米に由来するハラミヤ類の完全な頭蓋について報告している。この頭蓋は白亜紀のもので、これまでに記載された中では最も新しいハラミヤ類となる。これは、ハラミヤ類がパンゲア超大陸の分裂後に北半球の大陸で存続したことを意味する。今回の研究はまた、もう1つのさらに謎めいた哺乳類であるhahnodon類が多丘歯類ではなく、実はハラミヤ類であったことも示している。さらに、別の化石哺乳類クレードであるゴンドワナテリウム類との類縁関係も明らかになり、最初期の哺乳類の系統発生に関する難解な部分を解明する手掛かりが得られた。



参考文献:
Huttenlocker AK. et al.(2018): Late-surviving stem mammal links the lowermost Cretaceous of North America and Gondwana. Nature, 558, 7708, 108–112.
https://dx.doi.org/10.1038/s41586-018-0126-y

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