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zoom RSS 有袋類の系統樹の見直し

<<   作成日時 : 2018/06/21 16:42   >>

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 有袋類の系統樹を見直した研究(Bi et al., 2018)が公表されました。哺乳類における有胎盤類と有袋類の、さらにはそれらの上位単系統群である真獣類と後獣類の間の分岐年代は、複数の分子証拠からジュラ紀と推定されています。この推定を補強する証拠として、中国北東部の後期ジュラ紀前期(約1億6000万年前)の層から発見された、最古の真獣類とされるジュラマイア(Juramaia)があります。一方、最古の後獣類とされてきたシノデルフィス(Sinodelphys)は、地理的には同じではあるものの、年代が3500万年新しい熱河生物相に由来します。

 本論文は、熱河生物相の新たな真獣類(Ambolestes zhoui)を報告しています。この新標本はほぼ完全な骨格を有し、外鼓骨や舌骨器官など、同時期の哺乳類では知られていない解剖学的要素が保存されていました。この新標本は最古の真獣類ではなく、一見すると最近発見された他の多くの真獣類とさほど差異はありませんが、哺乳類の系統樹を書き換えることになりました。

 本論文がこの新標本の分析により明らかにしたのは、まず、シノデルフィスが真獣類でだった、ということです。シノデルフィスと熱河生物相の別の真獣類エオマイア(Eomaia)との間に見られる体骨格の差異は、じゅうらいは登攀性ニッチに真獣類と後獣類が個別に侵入したことを示す、と考えられてきましたが、そうではありませんでした。初期の有胎盤類系統はじゅうらいの想定よりも多様だった、ということになります。これにより、既知最古の後獣類は東アジアではなく、北アメリカ大陸西部の約1億1000万年前の標本となり、後獣類に5000万年に及ぶゴースト系統が生じることになりました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


古生物学:前期白亜紀の真獣類および有胎盤類と有袋類の二分岐

古生物学:新たな真獣類化石と系統発生から明らかになった有胎盤類と有袋類の分岐

 真獣類は、有胎盤哺乳類および絶滅したその近縁種を含み、後獣類、すなわち有袋類とは完全に別の分類群を構成する。これら2つの分類群は哺乳類史においてはるか昔に分岐したが、その年代の正確な特定は、特に各分類群の動物が時代をさかのぼるほど互いに似てくる傾向があるため困難である。今回、中国で発見された新たな化石真獣類哺乳類が記載されている。この新種は既知最古の真獣類ではなく、一見すると最近発見された他の多くの真獣類とさほど差異はない。しかし、この標本が哺乳類系統内での相互関係に与える影響は大きく、この新種を哺乳類の系統発生に加えることで、かつて既知最古のステム群有袋類とされていたシノデルフィス(Sinodelphys)が実は真獣類に属することが明らかになった。これにより、既知最古の有袋類がアジアではなく北米に由来するものとなり、その年代が大幅に更新されて、後獣類に5000万年に及ぶゴースト系統が生じることとなった。



参考文献:
Bi S. et al.(2018): An Early Cretaceous eutherian and the placental–marsupial dichotomy. Nature, 558, 7710, 390–395.
https://dx.doi.org/10.1038/s41586-018-0210-3

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