『イリヤッド』の検証・・・98話~108話

 入矢は、ゼプコ老人・呉文明(リチャード=ウー)とともに、始皇帝陵に侵入してアトランティスの手がかりであるソロモンの玉を探します。それぞれの話が単行本のどの巻に収録されているかについては、
http://www5a.biglobe.ne.jp/~hampton/iliad001.htm
を参照してください。

●島田親子のその後(98話)
 85話に登場した島田親子は98にて再登場しましたが、その後の登場はありませんでした。島田親子は本題とも関わってきましたし、入矢堂の近所に住んでいるのですから、再登場があってもよかったように思います。

●始皇帝とその異母兄の呂信との関係(101話)
 始皇帝と呂信の異母兄弟は、作中では相互に殺しあったという設定になっていますが、いっぽうで、仲がよいところもあった、と示唆されています。二人が殺しあった理由と、『秦始皇伝奇』の「吾は神となり不死となり現世を治むる・・・・・・兄は死して冥界の王となれ・・・・・・吾甦る時、冥界の王の許しを乞わん」という一節の解釈は、連載が完結した今でもよく分かりません。呉文明・呉規清の関係が、始皇帝・呂信との関係になぞらえられていることが手がかりになるかな、と思ったのですが、呉文明・呉規清の関係も107話以降は描かれなかったので、やはりよく分からないままです。

●張と日本人カップルおよび連絡員との会話(102話)
 会話の内容は、
http://sicambre.at.webry.info/200608/article_5.html
にて述べていますが、これは人類の禁忌のじゅうような手がかりのように思われます。ただ、抽象的な内容なので、具体的に何を意味しているのかというと、推測の難しいところがあります。あえて私見を述べると、神がいないというか、神の信仰は無意味だということを述べているのかな、と思われます。また、秘密結社が壊滅状態になったとき(118話)、張も粛清されたのかどうか、粛清されなかったとしたら、まだ呉文明や入矢の命を狙っているのか、気になるところです。

●西洋と東洋を結びつける賢者の石(108話)
 聖杯=魔法の石=賢者の石=硫化水銀であることが柴田から語られ、西洋の神と中国の道が出会い交わるとされています。西洋で錬金術師が生成に血道をあげた賢者の石と、中国の道教思想で不老不死の秘薬とされたのは、ともに硫化水銀でした。おそらく、アトランティス文明の高度な文化・技術が、西洋だけではなく、東洋にも影響を及ぼしたことを示しているのでしょうが、同時に、西洋も東洋も共通の禁忌を抱えていることを示唆しているのかな、と思われます。

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