『イリヤッド』の検証・・・109話~123話

 エンドレ財団に秘密結社と通じている者がいるのではないか?との疑惑をめぐる騒動を契機として、物語は一気に収束に向かいます。それぞれの話が単行本のどの巻に収録されているかについては、
http://www5a.biglobe.ne.jp/~hampton/iliad001.htm
を参照してください。

●アントンの専攻と作中での役割(109話)
 デル=ポスト教授の息子アントンは、メソポタミア文明専攻です。アントンがこの109話ではじめて登場したときは、今後はメソポタミアでの冒険譚が始まるのかと思っていたのですが、けっきょくアントンは、エンドレ財団をめぐる疑惑が浮上する契機を作ったのがおもな役割で、作中ではほとんど活躍できませんでした。あるいは、イラクでの冒険譚を予定していたのに、連載開始後に始まったイラク戦争によるイラク情勢の悪化により、イラクでの話が省略されたのかもしれません。また、編集部の打ち切り勧告による原作の短縮化がなされ、イラクでの冒険譚が省略されたのかもしれません。

●シュリーマンとドネリーの書簡(111話)
 シュリーマンはドネリーに、アトランティスの場所を示す鍵と思われる二つの昔話を研究している、と語っていますが、それは『イソップ物語』「柱の王国」と『千一夜物語』「真鍮の都」です。しかし、オコーナーとゼプコ老人は、それぞれ一つずつしか知りません。どういう経緯で、両者がそれぞれ一つずつしか知らなかったのか、連載が完結した今でもよく分かりません。

●入矢と赤穴博士との議論(114~115話)
 アトランティスはトロヤの真下にあるという赤穴博士の説にたいし、入矢の見解は異なります。しかし、入矢が自説を述べたときに、赤穴博士がどのように反応したかは描かれておらず、気になるところです。博学な赤穴博士のことですから、じゅうような手がかりを示したように思われます。それにしても、100歳に近い博学な赤穴博士が、生涯をかけて研究した結果が、かなりよいところを突いていたとはいえ、結果的に間違っていたのはどうも納得がいきません。

●サボーの嘆き(123話)
 65話の後は、最終回の123話まで登場しなかったサボーは、こんなに貢献した自分に声もかけず、入矢さんにはがっかりだ、と123話にて文句を言いますが、確かに入矢のサボーにたいする態度は冷たいと思います(笑)。サボーがずっと登場しなかったのは、アトランティスをめぐる謎の解決に役立つだけの見識がないという設定になっていて、活躍させる場面を作るのが難しかったからだろうと思います。また、濃いキャラの多い『イリヤッド』の中では、薄いキャラだったことも、後半で冷遇された一因でしょうか。

 以上、1~123話までざっと振り返って検証してみましたが、まだ見落としている謎も多いでしょうから、今後も、何か思いついたことがあれば、このブログで述べていくことにします。ただ、今回同時にまとめサイトの「謎」の項目
http://www5a.biglobe.ne.jp/~hampton/iliad004.htm
も大幅に加筆訂正しましたから、これで『イリヤッド』については一区切りついたという感じで、今後は『イリヤッド』について語る機会は少なくなりそうです。

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