歯の分析によるネアンデルタール人の成長速度の推定

 10万年前頃のベルギーのネアンデルタール人の歯を調べたところ、ネアンデルタール人の成長は現生人類よりも速いことが分かった、との研究報道されました。10~12歳に見えたネアンデルタール人の子供は、じっさいは8歳くらいでした。この成長型は、エレクトスと現生人類との中間となります。

 歯の発達のなかでもとくに臼歯萌出の年齢は、離乳や生殖のような他の発達の指標と関連しています。ネアンデルタール人の子供の歯の成長は早く、同年代の現生人類の子供よりも多くの臼歯が萌出していました。これは、ネアンデルタール人の身体的発達が現生人類よりも早かったことを示しており、その行動や社会組織が現生人類とは大きく異なっていたことを示唆しています。


 以上、この研究についてざっと見てきました。ネアンデルタール人の成長が現生人類よりも速かったかどうか、これまで議論されてきました。この研究では速かったということになりますが、昨年12月8日分の記事で紹介した研究では、ネアンデルタール人と現生人類の成長速度は変わらなかったとされています。すぐには結論は出ないでしょうから、今後の研究の進展に期待しています。


参考文献:
Tanya M. Smith, Michel Toussaint, Donald J. Reid, Anthony J. Olejniczak, and Jean-Jacques Hublin.(2007): Rapid dental development in a Middle Paleolithic Belgian Neanderthal. PNAS, 104, 51, 20220-20225.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0707051104

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