更新世中期における障害児の養育

 更新世中期における障害児を分析した研究(Gracia et al., 2009)が報道されました。スペインのアタプエルカにあるシマ=デ=ロス=ウエソス遺跡で発見された10歳くらいの子供の人骨には、頭蓋縫合早期癒合症という障害が見られました。これは、頭蓋を構成する複数の骨が早期に癒合し、脳の発達が妨げられてしまう障害です。この子供は、誕生前よりこの障害を患っており、顔面の非対称性も、この障害に関連しており、認識障害もあったのではないか、と考えられます。この子供の障害はたいへん深刻なものでした。

 この子供が10歳くらいまで生きていたことから、上記報道では、初期人類が障害児をすぐに見捨てたり、殺したりしていたという俗説が間違っている可能性が示された、としていますが、そのような俗説が浸透しているのか、疑問もあります。この子供の人骨も含めて、シマ=デ=ロス=ウエソス遺跡の人骨群はホモ=ハイデルベルゲンシスと分類されることが多いようですが、ハイデルベルゲンシスも定義がかなり難しいというか曖昧なところがあり、なかなか分類の難しいところだと思います。


参考文献:
Gracia A. et al.(2009): Craniosynostosis in the Middle Pleistocene human Cranium 14 from the Sima de los Huesos, Atapuerca, Spain. PNAS, 106, 16, 6573-6578.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0900965106

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