東島誠『選書日本中世史2 自由にしてケシカラン人々の世紀』

 講談社選書メチエの選書日本中世史第巻として、2010年6月に刊行されました。本書は選書日本中世史として刊行されており、具体的に取り扱われる時代はおおむね中世なのですが、現代社会の在り様とその変容について強い関心を持ち、そこから中世史を見直していき、過去のみならず今後の「変革可能性」を見出してこう、との視点が強く打ち出されています。もちろん、すべての歴史は現代史ですから、本書の視点はとくに不思議ではないのですが、それをはっきりと打ち出していることは、論点が明確になるという意味で、よいのではないか、と思います。

 とはいえ、本書は、都合のよい「史実」を見出して再構成して事足れりという悪書ではなく、さまざまな解釈・可能性を史料から導いて提示するとともに、「変革可能性」が「沈没」していった様相をも指摘しており、なかなか興味深い内容となっています。もちろん、気鋭の専門家の著書だけあって、提示されるさまざまな史料とそこから提示される史実には、たいへん興味深いものがあります。一般にもひじょうに関心が高いであろう織田信長についても、通俗的な見解とは異なる解釈が提示されており、多くの戦国時代ファンにとっても一読の価値があるのではないか、と思います。

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