北アメリカ大陸におけるクローヴィス文化以前の狩猟

 北アメリカ大陸におけるクローヴィス文化以前の狩猟の証拠についての研究(Waters et al., 2011)が報道(Lawler., 2011)されました。この研究では、アメリカ合衆国ワシントン州のマニス遺跡で、1970年代に発見されたマストドン(ゾウ目の大型動物)の骨について報告されています。マニス遺跡では、マストドンの骨で作られた投槍の先端が突き刺さっていた、マストドンの肋骨が発見されています。この投槍の先端は、ベーリンジアの上部旧石器文化とクローヴィス文化に共通するものです。

 その年代は、放射性炭素年代測定法により、13800年前という、クローヴィス文化よりも前のものであることが明らかになった、ということが示されています。他の遺跡の証拠と合わせて考えると、少なくともクローヴィス文化の2000年前には、北アメリカ大陸で人間による草食哺乳動物の狩猟が行なわれていた、とこの研究では指摘されています。アメリカ大陸への人類の移住については、クローヴィス文化の担い手が最初だったとするクローヴィス最古説が長らく主流でしたが、近年では、アメリカ大陸への人類の移住はクローヴィス文化以前ではないか、とする見解が有力になりつつあり、この研究も、そうした傾向をさらに強めていくことになりそうです。


参考文献:
Lawler A. et al.(2011): Pre-Clovis Mastodon Hunters Make a Point. Science, 334, 6054, 302.
http://dx.doi.org/10.1126/science.334.6054.302

Waters MR. et al.(2011): Pre-Clovis Mastodon Hunting 13,800 Years Ago at the Manis Site, Washington. Science, 334, 6054, 351-353.
http://dx.doi.org/10.1126/science.1207663

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