クローヴィス文化と同時期の北アメリカ大陸の文化

 クローヴィス文化と同時期か、それに先行する北アメリカ大陸の文化についての研究(Jenkins et al., 2011)の要約を読みました。この研究では、アメリカ合衆国北西部に位置するオレゴン州のペイズリー洞窟での発見物についての調査結果が報告されています。ペイズリー洞窟では糞石が発見されており、複数の研究所での解析の結果、人間のDNAが確認されています。これら有機物を多数放射性炭素年代法で測定したところ、最古のもので12450年前という結果が得られました。ペイズリー洞窟では尖頭器も発見されており、その出土層の年代は、有機物の放射性炭素年代測定法により、11070~11340年前という結果が得られていますが、この年代はクローヴィス文化と同時期かそれにやや先行します。

 この研究では、ペイズリー洞窟で発見された尖頭器にはクローヴィス文化の特徴が見られず、ペイズリー洞窟の尖頭器とクローヴィス文化とは個別に発展したものであり、両者は単線的な発展関係にはない、と主張とされています。こうしたことからこの研究では、アメリカ大陸への人類の最初期の進出は、文化的に異なり、おそらく遺伝的にも異なる複数の集団によってなされたのではないか、と主張されています。アメリカ大陸への人類最初の進出をめぐる問題はずっと高い関心を集めており、近年になって長い間通説だったクローヴィス最古説を覆す研究が相次いで公表されていますが、それは高い関心があってのことなのでしょう。


参考文献:
Jenkins DL. et al.(2012): Clovis Age Western Stemmed Projectile Points and Human Coprolites at the Paisley Caves. Science, 337, 6091, 223-228.
http://dx.doi.org/10.1126/science.1218443

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