『イリヤッド』におけるネアンデルタール人(1)

 このブログを開設した主要な動機の一つが、『イリヤッド』について私見を語りたい、ということでした。『イリヤッド』の連載が完結してから5年以上経過し、ここ数年は『イリヤッド』関連の記事を掲載することがほとんどなくなりましたが、最近『イリヤッド』を少し読み直してみたところ、抜群に面白いとの感想に変わりはなく、連載中ほどの頻度ではないにしても、再び『イリヤッド』について色々と語ってみようかな、と思った次第です。まずは、『イリヤッド』における数々の謎のなかでも、最大というか物語の核心に位置づけられていた人類の禁忌で重要な役割を担ったネアンデルタール人(ホモ=ネアンデルターレンシス)についてです。

 『イリヤッド』におけるネアンデルタール人は、現生人類(ホモ=サピエンス)に夢を見る力を与え、ある真実を伝えた存在でした。その真実こそ、人類最大の禁忌とされ、「山の老人」などの秘密結社が、殺人を犯してまで守ろうとした秘密でした。その真実が何かという問題については、このブログでたびたび私見を述べており、連載完結後に一応まとめてみました。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~hampton/iliad004.htm

 作中においてはじめてネアンデルタール人に言及されたのは26話「デメル」で、「我々ホモサピエンスがネアンデルタール人に代わって地上で覇権を握ったのは、今からわずか三万年前」とデメルが述べています。この時は一般的というか通俗的な説明にとどまっており、アトランティスにまつわる謎にネアンデルタール人が関わってくることを示唆するような発言にはなっていない、と思います。以下、それぞれの話が単行本のどの巻に収録されているかについては、
http://www5a.biglobe.ne.jp/~hampton/iliad001.htm
を参照してください。

 次にネアンデルタール人についての言及があったのは52話『人類の誕生』で、「当時は氷河期・・・・・・人類は、アフリカのわずかな草原に生息する絶滅危惧動物でした。ネアンデルタール人全盛時代ですからね」とプリツェルが述べています。これは、121話「彼らは夢を見る」
http://sicambre.at.webry.info/200705/article_19.html
における、アダムとイブの子は絶滅寸前で、大自然に翻弄されて獣の餌にすぎず、日々不安で眠ることもできなくて、夢を見る能力すらなかったが、「彼ら」はよく夢を見た、というグレコ神父の発言と合致するところがあり、原作者の意図としてはおそらく伏線だったのでしょう。しかしこの時点では、やはり一般的というか通俗的な説明にとどまっており、ネアンデルタール人が本題と深く関わっていることを予想するのはほとんど無理だったでしょう。

 ここまでは、ネアンデルタール人について言及されていても、連載時点ではネアンデルタール人と本題との関係を想定するのがほとんど無理でした。次にネアンデルタール人について言及された60話「聖杯伝説」で、はじめてネアンデルタール人と本題との関係を読者が想定することが可能になったと思うのですが、連載完結から5年以上経過しても、『イリヤッド』について気合を入れて語ろうとすると相変わらず長くなってしまうので、『イリヤッド』におけるネアンデルタール人については、何回かに分けて掲載していく予定です。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック