犬の家畜化と遺伝的選択

 まだ日付は変わっていないのですが、3月24日分の記事として掲載しておきます。犬の家畜化の過程における遺伝的選択についての研究(Axelsson et al., 2013)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用ですが、犬は多くの地域で人間にとって身近な生物ということなのか、関心が高いようで、家畜化の起源や最初に家畜化された地域についての研究が、近年でも盛んに公表されているように思います。この研究では、人間の作りだした農耕社会により犬が受けた可能性の高い遺伝的選択について考察されていますが、人類も、農耕社会の確立によりさまざまな遺伝的選択を受けたのでしょう。

進化: イヌの家畜化に関連するゲノムの特徴は、デンプンの多い食餌への適応を示している
進化:イヌがヒトとの生活を選んだとき
 イヌおよびオオカミの全ゲノム塩基配列の再解読により、イヌの家畜化の過程で選択の標的になったと考えられるゲノム領域が多数見つかった。そのような遺伝子36個のうちの過半数は脳に関係しており、その中にはイヌの家畜化で重要と考えられる行動変化に関係するものがいくつか含まれていた。意外にも、選択を受けたことを示す10個の遺伝子はデンプンの消化および脂質の代謝に重要なものであり、現在のイヌは肉食性のオオカミと比較してデンプンの多い食餌でもうまく生きていけるようになっている。この食餌の変化を示す証拠から、農業革命の過程で定住化したヒト集落から廃棄された残飯を食べるという、新しい生態的ニッチをイヌが見いだしたのではないかと考えられる。



参考文献:
Axelsson E. et al.(2013): The genomic signature of dog domestication reveals adaptation to a starch-rich diet. Nature, 495, 360–364.
http://dx.doi.org/10.1038/nature11837

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この記事へのコメント

みら
2013年03月23日 23:44
こんばんわ

最近は、犬の遺伝子系統にまで興味を持って調べているのですか?
馬なら…理解できるんですけどね…意外ですね。

幅広いご研究素晴らしいです!
が、八重の桜のコメントもちょーっと書いてもいいんじゃ…。
2013年03月24日 20:59
犬の家畜化には以前より興味があるのですが、勉強が進んでいません。

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