『週刊新発見!日本の歴史』第23号「室町時代2 足利義満が目指したもの」

 まだ日付は変わっていないのですが、11月27日分の記事として掲載しておきます。この第23号は足利義満の誕生(同年に義満の祖父の尊氏が死亡しています)の頃から足利義満の死の頃までを対象としています。この第23号の特徴は、公武の対立を大前提とする伝統的歴史観からの脱却を全面に打ち出していることです。それと関連して、1990年代以降に一般にも広く浸透した、義満による皇位簒奪計画があったという説に否定的であることも特徴となっています。近年の学界では、この皇位簒奪説に否定的な見解が主流になっています。

 義満による皇位簒奪計画説の重要な根拠の一つとなっていたのが、義満の愛息である義嗣は次期天皇として位置づけられるような高い待遇を受けていた、という解釈です。しかしこの第23号では、義嗣が受けた待遇は一般諸公卿と本質的に差がなかったり、摂関家の先例や後の第6代将軍義教にも見られたりしたものであり、とても義嗣が次期天皇として位置づけられていたとは考えられない、との見解が提示されています。こうした義満による皇位簒奪計画説の否定が、一般読者にとっては「新発見」的と言えるでしょうか。

 その他の「新発見」的見解としては、勘合貿易の目的は九州平定と北山殿を核とした「新都心」造営の財源確保だった、とするものや、その勘合貿易の「勘合」とは、合札や割符ではなく公式文書だった、とするものが提示されています。南北朝内乱の収束に伴い、守護権力に支えられる形で荘園制が再建された、とする「室町期荘園制論」についてのやや詳しい解説も、「新発見」的と言えそうです。足利義満が朝廷において確固たる地位を確立していくうえで、二条良基が重要な役割を果たしたことを指摘した見解も注目されます。

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