ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』全6巻(エンターブレイン)

 まだ日付は変わっていないのですが、12月21日分の記事として掲載しておきます。随分前にネットで第1話を読んだ時から、面白い漫画だなと思って気になってはいたのですが、つい他のことを優先して後回しにしてしまいました。地上波で放送された映画を録画し、最近になって視聴したところ、なかなか面白かったので、全6巻をようやく入手し、読み終えました。漫画の方は期待通りの面白さで、映画の方もなかなか大がかりなセットで見応えがありました。漫画は全6巻で完結しましたが、映画の方は続編が制作中とのことで、楽しみです。

 この作品はタイムスリップもので、現代では分野を問わずタイムスリップものの作品がありふれているだけに、陳腐な物語になってしまう危険性もあります。しかしこの作品は、いわゆる五賢帝時代(ハドリアヌス帝)のローマ帝国の建築技師(専門は浴場の建設)が現代日本の公衆浴場(町の銭湯や観光地の温泉場)にタイムスリップしてその「先進性」に驚き、ローマ帝国にタイムスリップで戻ると、現代日本の公衆浴場を真似た浴場を作って評判になる、という奇抜な設定になっており、タイムスリップを上手く活用できているな、と思います。発想の勝利と言うべきでしょうか。

 作者はローマ帝国に詳しく、ローマ帝国への深い愛情が作品から窺えます。ハドリアヌス帝の治世と絡めた物語の進行も上手く、単なる発想の勝利ではないと思います。ただ、何度もタイムスリップが繰り返されるうちに、最初に受けた衝撃が薄れてきた感は否めません。その意味で、引き延ばさず6巻で完結したという長さもよかったのではないか、と思います。

 後半に登場したヒロインとその祖父が、いわゆるチートキャラだったので、繰り返されるタイムスリップの衝撃が薄れてきたこともあって、後半になって多少失速した感は否めません。ヒロインの人物造形としては、漫画よりも映画の方がよかったのではないか、と思います。それでも、最後まで楽しんで読み進められました。新シリーズの連載予定もあるとのことで、そちらも楽しみです。

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