夢と覚醒時の視覚処理との類似性

 夢と覚醒時の視覚処理との類似性を報告した研究(Andrillon et al., 2015)が公表されました。人間はレム(急速眼球運動)睡眠中に夢を見ることが知られています。この研究は、19人の被験者を対象にして、睡眠時と覚醒時、また視覚刺激を受けた場面で急速眼球運動を起こした時に、脳の内側側頭葉(長期記憶の形成にとって重要な領域)の個々のニューロンが同様に応答することを明らかにしました。このことから、睡眠中の急速眼球運動が視覚処理に類似した期間に対応しており、夢を見ている時の視覚心像を確かに反映している可能性が示唆されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【神経科学】夢は何でできているのか

 レム(急速眼球運動)睡眠中のヒトの脳の活動は、覚醒時の視覚活動中に観察される脳の活動と非常によく似ているという報告が、今週掲載される。今回の研究は、レム睡眠から覚醒した被験者の多くが夢の視覚心像を鮮明に報告する理由を説明できるかもしれない。

 レム睡眠中の私たちの眼球の動きは、覚醒時に視覚的情景を見ている時の眼球の動きにかなり似ている。急速眼球運動が睡眠中の視覚情報処理を反映しているのかについて、研究者は長きにわたり頭を悩ませてきた。

 今回、Yuval Nirたちは、19人の被験者の脳の活動を記録した。その結果、患者が睡眠時と覚醒時、また視覚刺激を受けた場面で急速眼球運動を起こした時に、脳の内側側頭葉(長期記憶の形成にとって重要な領域)の個々のニューロンが同様に応答することが明らかになった。このことは、睡眠中の急速眼球運動が、視覚処理に類似した期間に対応しており、夢を見ている時の視覚心像を確かに反映している可能性を示唆している。



参考文献:
Andrillon T. et al.(2015): Single-neuron activity and eye movements during human REM sleep and awake vision. Nature Communications, 6, 7884.
http://dx.doi.org/10.1038/ncomms8884

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