真核生物がミトコンドリアを獲得した時期

 これは3月23日分の記事として掲載しておきます。真核生物がミトコンドリアを獲得した時期についての研究(Pittis, and Gabaldón., 2016)が公表されました。現在の有力説では、真核生物の進化はアーキアに類似した細胞が細菌を取り込んだことがきっかけで始まり、この細菌が後にミトコンドリアになった、と考えられています。一方、真核生物は現在の形へ向かう道をかなり進んだ後になって、後にミトコンドリアとなる細菌を取り込んだ、との説も提示されています。この研究では、ミトコンドリア遺伝子は、他の多くの真核生物遺伝子およびその類縁と推定される原核生物遺伝子との関係と比較して、近縁と考えられている細菌の遺伝子の方にずっとよく似ていることが明らかにされました。この結果は、ミトコンドリアがすでに進化の途上にあった真核細胞に取り込まれたものであることを示している、と指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


進化生物学:キメラな原核生物起源を持つ宿主によるミトコンドリアの後期獲得

Cover Story:ミトコンドリア獲得のタイミング:エネルギーを生産するミトコンドリアは真核細胞へ進化しつつある、複雑化し始めた細胞中に出現した

 真核細胞は細菌やアーキアの細胞に比べてずっと大きく複雑であるため、その進化の過程を再現するのは難しい。現在広く支持されている説では、真核生物の進化はアーキアに類似した細胞が細菌を取り込んだことがきっかけで始まり、この細菌が後にミトコンドリアになったと考えられている。また別の説では、真核生物は現在の形へ向かう道をかなり進んだ後になって、後にミトコンドリアとなる細菌を取り込んだとされている。今回A PittisとT Gabaldónの研究により、後者の説が裏付けられた。この研究では、ミトコンドリア遺伝子は、他の多くの真核生物遺伝子とその類縁と推定される原核生物遺伝子との関係に比べると、近縁と考えられている細菌の遺伝子の方にずっとよく似ていることが明らかにされた。この結果は、現在通用している諸説に疑問を投げ掛けるもので、ミトコンドリアはすでに進化の途上にあった真核細胞に取り込まれたものであることを示している。



参考文献:
Pittis AA, and Gabaldón T.(2016): Late acquisition of mitochondria by a host with chimaeric prokaryotic ancestry. Nature, 531, 7592, 101–104.
http://dx.doi.org/10.1038/nature16941

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