新生児は成人と同様に視覚処理ができる

 これは3月14日分の記事として掲載しておきます。新生児の視覚処理に関する研究(Deen et al., 2017)が公表されました。成人の大脳皮質の視覚野は、顔・物体・風景など目に見えるもの全てをそれぞれ処理する領域に分かれています。ただ、こうした領域が周辺環境にさらされたために形成されたのか、それとも若い頃から存在していたのかは、まだ明らかになっていません。この研究は、9人の乳児(生後4~6か月)を機能的磁気共鳴画像装置の中に寝かせたままで、さまざまな画像を見せて画像データを取得しました。このデータから、これらの乳児と成人の視覚野では、同じような視覚刺激を与えられたさいの応答が類似している、と明らかになりました。

 この結果は、乳児の視覚野に早ければ生後4ヶ月で特定の視覚カテゴリー(たとえば、顔と風景)を処理する領域が形成されることを示しています。その後の追跡実験では、視覚刺激の特徴(たとえば、色の種類、色の明るさ)が原因となってこうした結果が生じたのではない、と実証されました。この研究で乳児の脳に見られた機能的応答には、成人の脳に見られる微妙な差異が認められなかったものの、この研究結果からは、視覚野におけるカテゴリー選好の大規模な構成が、生後わずか4ヶ月の時点での視覚刺激への曝露後に成人とすでに同程度になっている、と示唆されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


神経科学:赤ん坊の脳は大人の脳のように視覚処理ができる

 新生児は、早ければ生後4か月で成人と同じように顔と風景の視覚処理ができるようになることを明らかにした論文が掲載される。

 成人の大脳皮質の視覚野は、顔、物体、風景など目に見えるもの全てをそれぞれ処理する領域に分かれている。ただし、こうした領域が、周辺環境にさらされたために形成したのか、それとも若い頃から存在していたのかは分かっていない。今回、Ben Deenの研究チームは、生後数か月で視覚野の構造的構成が成人並みになっていることを示す証拠を得た。

 Deenたちは、9人の乳児(生後4~6か月)を機能的磁気共鳴画像装置の中に寝かせたままで、さまざまな画像を見せて画像データを取得した。このデータから明らかになったのは、これらの乳児と成人の視覚野では、同じような視覚刺激を与えられた際の応答が類似していたことだった。この結果は、乳児の視覚野に早ければ生後4か月で特定の視覚カテゴリー(例えば、顔と風景)を処理する領域が形成することを示している。その後の追跡実験では、視覚刺激の特徴(例えば、色の種類、色の明るさ)が原因となってこうした結果が生じたのではないことが実証された。

 この研究で乳児の脳に見られた機能的応答には、成人の脳に見られる微妙な差異が認められなかったが、今回の研究結果からは、視覚野におけるカテゴリー選好の大規模な構成が、生後わずか4か月の時点での視覚刺激への曝露後に成人とすでに同じ程度になっていることが示唆されている。



参考文献:
Deen B. et al.(2017): Organization of high-level visual cortex in human infants. Nature Communications, 8, 13995.
http://dx.doi.org/10.1038/ncomms13995

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