フランス大統領選決選投票

 これは5月9日分の記事として掲載しておきます。今回のフランス大統領選も決選投票となり、先月(2017年4月23日)の第1回投票(投票率77.77%)の上位2人(8656346票で得票率24.01%のマクロン候補と7678491票で得票率21.30%のルペン候補)の対決となりました(関連記事)。国民戦線の党首(ルペン候補は決選投票対策として、一時的に党首を退任しましたが)がフランス大統領選で決選投票に残るのは2002年以来ですが、この時はルペン候補の父親が立候補しており、第1回投票(投票率71.60%)では4804713票(得票率16.86%)で2位、決選投票(投票率79.71%)では5225032票(得票率17.79%)でシラク候補に敗れました。

 今回は、2002年の時よりも反国民戦線運動が盛り上がらなかったことから、番狂わせを警戒する人も一部でいたようですが、マクロン候補の勝利は固いとみるのが一般的な見解で、私も、どれだけの差でマクロン候補が勝つのか、という点に注目していました。今回の決選投票の投票率は74.56%で、第1回投票や2002年の決選投票の時よりも低下しました。最近は、第1回投票よりも決選投票の方が投票率は高いのですが、事前に報道されていたように、「極右」である国民戦線の候補者には投票したくないものの、「新自由主義的」とも言われるマクロン候補にも投票したくない、という有権者が多数いたからなのでしょう。

 決選投票の結果は、予想通りマクロン候補の勝利だったわけですが、マクロン候補は20753798票(得票率66.10%)で、ルペン候補は10644118票(得票率33.90%)でした。おおむね事前の報道(マクロン候補の支持率が60%強にたいして、ルペン候補の支持率は40%弱)通りになった、と言えるでしょう。投票率が伸びないことで、支持層が強固なルペン候補の得票率が相対的に高くなるのではないか、とも予想されたのですが、国民戦線への忌避感は根強いということなのでしょう。

 当選したマクロン候補は、他の有力候補者が醜聞報道などで失速するなか、若さもあっての新鮮さから選択されたという感があり、期待感先行なのは否めません。既成大政党から立候補したわけではないマクロン次期大統領は、議会に基盤を有しているわけでもないので、これも今後の政権運営の不安点です。来月実施予定の議会総選挙でどれだけの基盤を築けるのか、注目されます。まあ、議会総選挙の結果がどうであれ、前途多難の政権運営となりそうです。

 決選投票における国民戦線候補者の得票数・率として、ルペン候補の10644118票(得票率33.90%)は、2002年の4804713票(得票率16.86%)を大きく上回るものであり、大躍進と言えるでしょう。差別主義的方針を先代の党首の頃より抑制したことと、福祉主義的側面を打ち出すようになったことが要因でしょうか。とはいえ、既成大政党から立候補したわけではなく、大臣経験があるとはいえ、政治家としては多分に未知数なマクロン候補に完敗したわけですから、国民戦線への忌避感は根強いものがあるようです。国民戦線が政権を獲得することは難しいでしょう、と門外漢としてはつい安易に言いたくなりますが、今後どう情勢が変わるのか、門外漢には予想の難しいところなので、国民戦線が政権を獲得する可能性も想定しておいたほうが無難でしょうか。

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